近況ネタが古くなりつつあるので、書いておきます。みっつほど。
ひとつめ。5月29日は台風が来て大荒れの天候だった。その日、私はひとり舞鶴に遠征していた。目的は御年91歳(今年の秋に92歳)の恩師に逢うこと。小学校一年時の担任である。毎年恒例なんだけど、始まりは1998年頃だっただろうか。あれから13年経つのかあ。ちょっと遠い目。98年当時は体調が悪くて、私の苦しい胸の内をいろいろ聞いていただくことが多かった。現在は立場はやや逆転して、先生の健康状態について、いろいろ指導させていただく。お話をすると、90代になり、なおかつ「生きていこうとする意欲」を保つのは、並大抵ではないことが分かる。13年前は、先生も80代だった。それから、親交の深い仲間が次々と亡くなっていく。温泉旅行に行ったりしていた友達が、亡くなったり、ボケてしまったり。要するに「何のために生きていくのか？」というベクトルが薄くなるのね。ふつう、90歳まで生きたら本望である。それ以上に「毎日しっかりねじを巻いて」生きるというのは、どれほど困難なことか。「もう、ええやん、十分やわ」という気持ちは起こって当然だ。だから、今年92歳の先生に「いや、まだまだ生きて下さい、気を抜かないで下さい」とご指導たてまつる。毎年教え子と逢って話をするということが、少しでも「気の張り」になるように、祈りつつ・・
今年は初めてiPadを持参した。ホテルからタクシーで先生宅へ向かう途中、何を話そうか？と思案していたら、iPadに入っている家族の写真をお見せしたら、喜ばれるかな？と閃いた。で、お話の合間を見て、iPadを出してみると、意外にも興味津々。写真自体は結婚当初から現在に至るまでの、ごくごく一部だけだったのだが、ひどく気に入られた。私とお蝶夫人♪とダイゴが楽しそうに写っている写真を見ると、とても嬉しそう。「もう、いいかな？」といったん引っ込めたiPadを、また引き寄せて画面に見入る先生。色とりどりの美しい花や自然の風景の写真も入っていて、それも心を奪われたご様子。目が輝くというのは、ああいうんかな？ iPadがこれだけ功を奏するとは、ちょっと想定外だった。うれしい誤算(笑)。
後日、お便りが寄せられ、次のようにしたためてあった。「よいご家族に恵まれて、幸せな毎日、お仕事に励んでおられること、我がことのように嬉しく、奥様、息子様ともども笑顔の日々、写真を見せていただき、とても嬉しかったです。これからも健康第一、楽しい日々をお過ごしください」。来年もしかと参ります、先生。今度はiPadに、もっともっと写真を詰め込んで。あの目の輝きは、おそらく「長生きの鍵」だなぁ。「我がことのように嬉しく」思っていただけるということ。これほどありがたい言葉はないと思う。暑い夏と寒い冬に負けず、来年またお逢いしましょう。
ふたつめ。最近ダイエットの波に乗っている。5月上旬には89kgあった体重は、現在86kg前半くらい。ひとつの鍵は、昼食の量を減らしたこと。あれだけ好きだった菓子パンを、一切止めた。その代わりにおにぎりを食べている。これが結構ええねん！ おにぎりは、最初は菓子パンのような「ゴージャス感」がなくて寂しかったんだけど、食べてみると、わりと腹もちするのね。卵たっぷりの蒸しパンとか、美味しいんだけど、よく表示を見ると500kcalもする。これって、おにぎり三個分だよ。そういう「気づき」がありました。
そんな中、私の外来に通っている30代の統合失調症の男性。肥満があり、脂肪肝と各種生活習慣病をお持ちである。受診するたびに「なかなか体重が減らなくて・・」と苦笑いされる。私も「うーん・・」と言いつつ苦笑い。ところが、先日15kgの減量(二ヶ月で)をされたのだ！ 採血をしたところ、当然のことながら各種数値は全て改善。でもまだまだ正常値ではなかったが・・ 患者さんの目は輝いていた。この驚異的な減量の原動力が、まさに「おにぎり作戦」だったわけ。これは共感できたねぇ～。患者さんのこうした行動変容が起こった時は、本当に医師冥利に尽きる。その時も、思わず目頭が熱くなった。その男性患者さんは、更に水泳なども意欲を燃やされていた。この患者さんは、特に肝障害が心配。NASHへの移行を一番心配していた。統合失調症の投薬ありという状況下だけど、なんとか頑張って自分の病気に打ち克って欲しいと思う。
みっつめ。今月2日と6日に「カッコーの巣の上で/ミロス・フォアマン監督」の感想Blogを書いた。これはもともと佐々部清監督のご推薦。1975年のアカデミー賞を総なめした名作だし、前から一度は観たいと思っていた。感想Blogとしても、まずまず書けたかな？と思っていた。この記事へのアクセスはそれほどなかったんだけど、佐々部監督が直々にコメント書いて下さった。本当にこんな弱小Blogに、もったいないです。ありがとうございます。m(_ _)m というわけで、プチ自慢でした(笑)。みなさん！佐々部清監督が放つ渾身の二作品を、ぜひ映画館に観に行きましょう！ 僕はもちろん行きますよ～♫
「日輪の遺産」→夏公開
「ツレがうつになりまして。」→秋公開
特に後者は楽しみです♪ 私は普段映画館に行かない人なんですが、監督様自らのご推薦となれば、何を置いても行くでしょう！ ありがたく拝見して感想Blog書こうと思います。
以上、近況をみっつ記しました。
近況
