気になるクラシックピアニストについて語る

僕は音楽を聴くのが大好きです。ジャンルとしては、ポップスやロック、R&B、HIPHOP、ジャズなど。クラシックはあまり聴かない。でも、K診療所での心電図読影のときは、モーツァルトを聴きながら作業することが多い。だから、クラシックはモーツァルトばかりiPadにダウンロードすることになる。

だから、モーツァルトがらみでクラシックに関する知識が増えるという現象が起こる。ピアノ協奏曲20番21番というのは、心電図読影の作業にはツボにくる音楽である。フリードリヒ・グルダ(クラウディオ・アバド指揮)のやつをずっと聴いていた。特に21番は疲れてきた脳みそに、適度な癒しを注入してくれる。気力が湧いてくるのがわかる。とても助かるのです。

ある時、YouTubeを眺めていたら、ピアノ協奏曲21番の映像に出逢った。若いアジア系女性がピアノを弾いている。その所作や表情に釘つけになった。もちろん、演奏そのものも素晴らしいと思ったが、彼女はまさに「歌いながら」弾いていた。一音一音に大切に魂を入れるかのような所作。このへんは、ちょっとキース・ジャレットを想起させる。僕はそうした所作に「音楽への誠意」を感じ取る。映像を載っけておきます(約30分の尺です、やや長めですが・・)。



その気になる女性ピアニストを調べてみた。韓国出身のピアニストで現在38歳。Wikiより引用しておきます。

ソン・ヨルム(ラテン文字表記:Yeol Eum Son, 1986年5月2日 – )は韓国・原州市生まれの女性ピアニスト。3歳からピアノを習い、1998年にデビュー。その後、キム・テジンに師事。韓国芸術総合学校を卒業し、ハノーファー国立音楽大学校に在籍していた。18歳の時、ショパンの練習曲(Op 10、Op 25)を全曲CD録音(”Universal Music” )。
これまでに、ソウル市立交響楽団、ニューヨーク・フィルハーモニック、NHK交響楽団、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団などと共演している。
DeccaからCDをリリースした経験がある。ショパン国際コンクール2005の受賞者の中でメジャーデビューができた二人目(一人目はイム・ドンヒョク)のピアニストである。2021年現在は、Onyx Classics(イギリス)からCDをリリースしている。

上の動画は、おそらく2011年の第14回チャイコフスキー国際コンクール(当時25歳)からの切り取りと思われる。彼女は残念ながら、第二位に終わった。素人目から見ると「これ以上がいるの?」と叫びたくなるような塩梅だが・・ ちなみに優勝はロシア人男性ピアニスト。こういう「世界のコンクール」で演奏する人は、みないわゆる「天才」に違いないのだけど、それにあえて優劣をつけることに、意味があるのかね?と僕なんかは思ってしまう。

しおんのひとりごと」というBlogから、写真をちょっと拝借。


しおんさんのコメント、ちょっと読みにくいので記しておきます。

リストの「スペイン狂詩曲」演奏中。しばらく髪を口に挟んだまま演奏が続いていました。この状態で音楽を口ずさんでいました。すごい集中力!

この写真をみて、ソン・ヨルムさんの中核にあるものを想像する。たぶん、相当の負けず嫌い。妥協のなさ。炎のような情念。岩石をつらぬくような意志の固さ。その土壌のうえに、極めて精密な演奏の技術がある。ま、なんの根拠もない想像ですが。2011年のチャイコフスキー国際コンクール第二位は、相当に悔しかったんじゃないか。現在38歳だけど、この25歳の「不全感」が、その後の彼女の人生の底流にあるんじゃないか、などと妄想してしまう。

YouTubeやTikTokは、思いもしないような映像や情報をもたらしてくれる。「え! こんな映像残っていたの?」という発見もしばしば。寝る前に見てはいけないことを、患者さんに指導しつつ、プライベートでは見てしまうという、この矛盾。夜更かしはやめよう。ミイラ取りがミイラ(ちょっと違う?)にならないよう、睡眠はとりましょう。以上、気になるクラシックピアニストと題して、文章こさえてみました。