もういっちょ、クラシックの話題をかましてみる(揚げひばり)

前回、気になるクラシック・ピアニストとして、韓国出身のソン・ヨルムさんについて語った。クラシックが続くので、やや恐縮なのですが、ある楽曲がいま僕のツボに入っているので、紹介したいと思います。

心電図読影のときに、モーツァルトを聴く。その中のお気に入りで「ヴァイオリン・ソナタ/ヒラリー・ハーン & ナタリーシュウ」というアルバムがある。「ソナタ」とあるけど、実際にはバイオリンとピアノのデュオである。この演奏がチャーミングでねぇ〜 2005年録音なので、ざっと20年前の音楽である。こういう小編成の音楽は、好きだねー オーケストラなんかより、こういうこじんまりしたのが好き。ちょっと載っけておきますね。



この音楽で、ヒラリー・ハーンというバイオリニストに注目するようになった。念のため言っておきますが、僕はクラシックも、バイオリンにも、それほど詳しくない。だから、ヒラリー・ハーンの正確な評価なんてできない。「ただ、なんとなくいいなー」くらいの感じです。ただ、その流れの中で「The Lark Ascending」という楽曲に出逢った。ヒラリー・ハーンについて簡単に紹介しておきます。(Wikiより)

ヒラリー・ハーン(英語: Hilary Hahn、1979年11月27日 – 現在44歳)は、アメリカ合衆国のヴァイオリニスト。バージニア州レキシントン生まれ、ボルティモア出身のドイツ系アメリカ人。3歳11か月の時、地元ボルティモアの音楽教室でヴァイオリンを始める。クララ・ベルコヴィチ(英語版)による5年間の指導(最初の1年はスズキ・メソード)を経て、1990年、10歳でフィラデルフィアのカーティス音楽学校に入学し、17歳までウジェーヌ・イザイ最後の門下生ヤッシャ・ブロツキーに師事。ブロツキーの没後は19歳までハイメ・ラレードに師事。室内楽の勉強にも力を入れ、フェリックス・ガリミールとゲイリー・グラフマンに師事した。

要するに、グラミー賞その他、たくさんの栄光に輝くバイオリニストなんですね。クラシック通の人なら、誰でも知っている。そのことを押さえた上で、「The Lark Ascending」の映像を視聴していただきたい。尺は約15分です。



この映像がいつ頃のものなのか、はっきりしない。2004年頃?サー・コリン・デイヴィスが指揮者(イギリスの巨匠)でロンドン交響楽団と思われる。これ初めに聴いて「ヨガには合うなー」と感じた。基本的に静かなんだけど、じわじわと上がっていく感じ。邦題は「揚げひばり」だそうです。作曲はレイフ・ヴォーン・ウィリアムズ。副題は「ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス」。

バイオリンのハーンは演奏中、踊っている。表情はチョー真面目だけど、身体は舞踏の中にある。前回のソン・ヨルムもそうだったけど、「スウィングしなければ意味がない/デューク・エリントン」という至言を思い出す。フルートとかクラリネット、ホルン、ファゴット?などの奏でる音が優しい。そしてやはり、指揮者のコリン・デイヴィスの指揮がすごい。

彼の指揮は、きほん重厚なんだと思うけど(特にハーンが最初に弾き出すあたり)、中盤くらいで笑顔で軽やかな動きとなる。ぴーんと張りつめた(当たり前だけど)オーラから、こうしたある意味「無邪気」な表情へのシフトは、やはり巨匠なんだろうな。他の大部分はやや猫背なのに、ここだけ上体をそって「さあ、みんなも楽しく!」と言わんばかり。そして、最後のハーンのソロでの彼の眼差し。当時20代だった(はず)のハーンへの、リスペクトを感じる。いま調べてみると、この演奏時、70代後半だったみたい。いやー、この映像、いろんな意味で宝物だわ。ちなみにコリン・デイヴィスは2013年に亡くなっている(享年86)。

この映像は、見始めるといつも最後まで見てしまう。緊密で慈愛に満ちて、いつも幸せな気持ちになってしまう。そうそう、音楽は映像があった方がいいね! 演奏する人の表情、所作がわかるのがすごく良い。ポップスのPVとはまた違った意味で、クラシック音楽の映像は、とても見ていて面白いと思います。以上、クラシックでお気に入りの映像について語りました。