近況・・Blogとか色鉛筆画とか、やってる場合ちゃうし(1)

さる5月12日(日)に実母が倒れた。
そして14日(火)に義父が倒れた。

僕はもともと危機管理能力の低い人間です。よく言えば「楽観的」、わるく言えば「鈍感」ということになるか。ここ一週間くらいで、その自分の「甘さ」を再認識せざるを得なかった。ちょっと長くなりますが、今感じることをアウトプットしておきます。

僕は毎月一度、伊勢丹のちょっといい弁当を買って、実家を訪問していた。3月24日に訪問したときは、そんなに大きな変化はないように見えた。両親ふたりとも、美味しそうに弁当を平らげた。4月30日に兄から「母が室内を這って移動している。自分で施設に入ることを望んでいる」とのメールあり。母に確認すると「もう限界。お父さんに迷惑かけたくない」との言葉。母は重度の脊柱管狭窄症にて、ADLが悪くなっている。いちばん困るのが、頻尿。神経因性膀胱という診断だが、これを改善するのは容易ではない。夜間に4-5回トイレへ行くが、間に合わないことも多い。もちろん尿パッドを交換するが、十分ではない。父は93歳で、そうした母の世話をするのには限界が来ている。

5月4日(父の誕生日)に訪問したときは兄もいて、四人で美味しく弁当を食べた。やや尿臭があるように感じたが、あまり突っ込んで考えず。兄が両親の資産をチェックして、妥当な施設をリサーチ。5月15日に施設見学の予定となっていた。母は臥位から起立することは不能。座位から起立はなんとか可能。兄は母の部屋にベッドを入れて、ポータブルトイレを設置することを検討していた。僕はそのことに何ら疑問を感じず、介護的なことは兄に任しておけばよい、と思っていた。

そうして迎えた5月12日(日)。この日は午前中、K診療所で健診外来の仕事。10時ごろ、仕事の真っ最中に父から電話がかかってきた。もちろん僕は電話に対応できず。受診者が途切れたところでコールバックしてみる。父の携帯は反応なし。父は難聴あり、目も悪いので、これはいつものこと。実家の固定電話に電話すると、しばらくして母が電話にでた。「今、仕事中なんやけど」と言うと、母はごめんね、申し訳ないと言った。そうして、父に代わってもらう。

父によると、母が二週間くらい排便がないとのこと。母は「そんなこと急いで知らせんでいい」と言うが、確かに二週間というと、そこそこ病的なものを感じる。とりあえず、K診療所の仕事が終わったら、すぐに実家へ向かうことに。

実家に着いて、おどろいた。尿臭がかなりひどい。そして母はリビングに横たわっている。表情には相当な倦怠感がただよっている。顔はむくんで見えた。症状としては、腹痛なし、お腹の張りあり、嘔気嘔吐なし。聴診器がないのが痛かったが、とりあえず触診。腹部の緊満感はなし、圧痛もない、やや膨隆はあるかな? そしてわりと広範に、皮疹を認めた。かなり痒いらしい。

以上より、まずはひどい便秘。今のところイレウスはなさそう。ただし、腎機能などは心配。やはり直感的には、どこかのQQに運んで、最低でも浣腸、できれば採血と点滴。もし可能なら腹部CTなど、してもらえないか? ただ、QQにたどり着くのにタクシーは現状、ムリ。実家はマンションの二階で、エレベーターがない。これが大問題。両親が超高齢となったとき、障壁になるとは思いつつ、今を迎えてしまった。だから、QQ車の隊員さんに母の運搬を頼むしかない。また、便秘のみの可能性が高いのに、どこの病院のQQが受けてくれるのか? 「まず家で浣腸してください」と言われたら、それまで。難しい状況と言えた。ただそのときは、仕事の後だったし、午後2時を過ぎていた。翌日はオフだったので、本日はいったん帰宅して、仕切り直して13日に来るか。両親は、それでいいと了解した。

その後、兄が実家に到着。兄は元ケアマネで、介護のことは詳しい。僕のQQに運ぶという案に対して、協力的ではなかった。「医療はおまえに任せる。でも俺は関知しない」という距離感。確かに、単なる便秘の可能性が高い現状で、QQ車まで呼ぶというのは、やや気合がいる。兄に冷静に指摘されると、やや気力が萎えた。確かに自分のプランは、無理なところもある。そうして、いったん帰宅。

帰宅して、奥さんに今日の一連の出来事を伝える。彼女は兄の介護のやり方を疑問視した。要支援2だけど、ヘルパーも訪問看護も受けていない。確かに、そうやな。兄は、自分の介護の現状について、僕にほとんど連絡しなかったし。任せきりにしていた僕にも問題はある。ただ、その12日は、尿でシミだらけの布団や畳、布団カバーなどをちゃんと交換していた。ああいう現場を、僕は見たことがなかった。母はもともと自尊心の高い人である。毎月顔を合わせていたとしても、いわゆる「取り繕い」はあったと思う。「兄は僕より母のリアルを知っている」と感じた。

奥さんは、母をQQに受診させることに強く賛成した。うまく行くかどうかわからないが、医療人として、やはりやってみるべきと。二週間排便がないというのは、さすがにまずい。問題が便秘だけならいいが、それ以外の内科的なリスクは常にあり得る。奥さんに背中を押された。13日(月)は、朝から実家に行って、母をどこかのQQへ運ぶミッションをすることに。

まだまだ途中なのですが、長くなるので一旦ここでアップします。仕事もそこそこ忙しく、文章を書く余裕もないです。もしかしたら、この近況Blogは最後までたどり着けないかもしれない。