近況・・次回の色鉛筆画について紆余曲折

今年の医家芸術展が、八月下旬に開催されることとなりました。たぶん、今回はちゃんと開催される見通しです。そこで、あとひとつ、色鉛筆画を描きたいと思っていた。

僕の場合、モチーフとなる写真を自分なりに消化して、色鉛筆で再構成していく。だから、モチーフとなる写真選びが「命」となるわけ。書斎に随分たくさんの写真資料(スポーツ関係が多い)があるんだけど「心つかまれる写真」となると、難しい。

ある日、ふと「将棋関係の写真だったら、意欲がわくんじゃないか」と天の啓示があった。僕は大の将棋ファンで、もう指し将棋はしないけど、詰将棋は大好きだし、プロの将棋観戦も大好き。要するに「思い入れ」が半端ないんですよ。絵を描いていても、そうした「思い入れ」って大事なんですよね。ラグビーとかボクシングとか、よく知らない女優の美人画とか、やっぱ「思い入れ」はそんなにない。でも、棋士はある程度、人物像が自分の中で出来上がっている。将棋盤を前に思考に耽る棋士、これいいんじゃないか、と思ったわけ。

その線でまず挙がったのが、里見香奈女流四冠。僕はこの人を、昔から応援している。もともと地力のある人だが、奨励会は抜けられなかった。最後のチャレンジのときは、女捨ててたもんなー。いっときは大病もされた。でも全然あきらめない。そんな不器用で、ストイックな女流棋士。化粧とか和装とか、あまり似合わない(たぶん本人も好きじゃないと思う)。シンプルなスーツ姿がいちばん良い。今は西山朋佳二冠と女流棋界において切磋琢磨している。

いや、待てよ。現在の将棋界を引っ張っているのは、他でもない藤井聡太五冠ではないか。彼の「ちょっといい写真」があったら、一番いいんじゃない? で、探してみたけど、わりとないのね。彼自身がまだ19歳なんで、それほど「被写体」になった経験が浅いのかもしれない。


そこでハッと気がついた。レジェンド羽生善治がいたではないか。今や「ゆるふわ」的な感じになっちゃったけど、永世七冠という偉業を達成した気の遠くなる道のり。それは同時に、カメラの被写体として、長年貢献されてきたということ。実際、探してみると、いろんなよい質感の写真が見つかる。これ、これなんすよ、僕が求めていたのは!
羽生さんの若い頃って、なんてフォトジェニックなんだろう! これを藤井聡太にマネしろといっても、難しいだろうな。藤井さんは、闘志は表に出さない。いわゆる「トンガリ」はない。「まろい表向き」から鬼手が繰り出される。つまり「内に秘めた闘志」なのだ。それに比べて、若い頃の羽生さんは、闘志を表にガンガンに出した。だからこそ、カメラマンにとっては嬉しい被写体だったわけです。さすが、レジェンド。

そういうわけで、次回の色鉛筆画は「ハブニラミ」を描くことにします。予定としては、七月いっぱいには仕上げる。その後、芸術展の準備となだれ込みます。上記のよっつのうち、どれ採用するかはヒ・ミ・ツ。やっぱり、羽生さんは偉大やわ〜😳 😳 😳