今年は大きな転換点でした。模写ではなく「モチーフから描く」という、ステップアップ。写真をモチーフにしているので、模写とたいして変わらないのですが・・ 昨年末だったか、画廊のおじさんに「模写はあくまでも模写。芸術でいちばん大事なのはオリジナリティー」との痛いお言葉をいただきました。そこから、今回の格闘は始まった。
もともと僕って、空っぽな人間なんすよ。自我のうすい人生を過ごしてきました。「ぼくって何?」と問うてみても、なんも出てこない。そんな人間が「オリジナリティー」って! 自分は何を描きたいんだろう?と自問自答して、例えば「美人画」だったら食欲でるかな?みたいな、不埒な気持ちで取り組み始めました。あ、そうそう。医家芸術展で、美人画だと人目を引くかな?みたいな、あざとい考えもありました。
5月以降、自分なりに夢中で取り組みました。そして、見えてきたもの。あ、実際の医家芸術展では「美人画」だからといって、ぜんぜん振り向いてもらえなかった。当初の「あざとい企み」は、はかなく散りました(笑)。ただ、紗栄子さんの絵は、まだましだったかな。長老のS先生がじっと見てはった。ちょっと嬉しかった。
⑴モチーフ選びにこだわること
⑵できるだけ数を描くこと
⑶顔の表情は色鉛筆が有利
⑷動きのある絵の方が得意
以上が、今回の総括というか教訓みたいなものです。空っぽなので、モチーフ自体になにか訴求点がないとダメなんですね。紗栄子さんの絵がましだったのは、そこだと思います。テキトーにネットから拾ってきたなんてのは、下の下。ちゃんとお金と手間をかけてモチーフを探すこと。自分の中にないんだから。
作品は、だいたい二ヶ月で完成する。これもちょっとした発見。精密に描こうとせず、わりとチャカチャカ描いたほうがよい。だから、もし可能なら、よっつくらい制作してもよい。もちろん、状況が許せばですが。
芸術展で、顔の表情をしっかり描いているのは、僕だけでした。これは色鉛筆という技術的な有利さがあると思います。今回、これに気づいたので、やはり僕は人間の表情を描いていきたい。ただ、空っぽなので、どんな表情がいいのか、分からないのですが・・ 今回は美人を描きましたが、それだけじゃないだろう、という心の声はあります。
あと、僕って「精密に描きこむ」というタイプじゃないんですね。超写実画はすごいとは思うけど、僕の流儀ではない。根がガサツなんですね。そういうのが今回、確認できました。筆勢というか、あるていど動きのある絵の方が、合っているようです。
現在、描きたいと思えるモチーフを探しているところです。「これはいい」というのが、すでにひとつあります。ネットからの流れものですが・・f(^^;) 良質な写真雑誌などを取り寄せて眺めたりしようかな。試行錯誤ですねー 実際の作業は、年明けからになります。また来年も、よろしくお願い申し上げますm(_ _)m