最近ずっとナヤンデルタール人だった

長文になっちゃいました。よかったら、お付き合い下さい。

ナヤンデルタール人・・人類史とは関係ないっす。単に10月と11月、まるちょうが悩んでいたということです。何のことで? ☞ 癌恐怖症だったんです。かなりきりきり舞いしました。恥ずかしい思いもしたし。怒りを感じたこともあった。昨年8月に線維肉腫の手術をした僕としては、「再発の恐怖」はどうしても付いてくるものです。今年8月に胸部CTを撮って、いちおうの太鼓判を押されていても、です。とりわけ「原因の分からない痛み」は、厄介です。痛いという身体的苦痛が、論理的思考をゆがめてしまう。いったん焦燥感の導火線に火がつくと、癌恐怖症という泥沼へどんどん引きずり下ろされます。・・抽象論はおいといて、具体的な経過を記しますね。

10月初旬頃から、ジムでトレッドウォーキングするときに、左足の甲が痛くなることがあった。初めは不快感くらいだったけど、次第に「なんかイヤな痛み」となる。ウォーキング後は、しびれが残る。最初は「気のせいかな?」「一過性かな?」で流していました。10月中旬ぐらいから「これは気のせいではない、確かに再現性のある症状だ」との認識になりました。

追い打ちをかけたのは、10月25日(水)の仕事中から、左足甲がじんじん痛くなってきたこと。今おもうと、それはちょうど雨の日で、雨用のごつい靴を履いていたからなんですが・・ そのときの自分としては「痛みの程度が進行している」と感じたんですね。そうなるとまさに「癌恐怖症の奈落」へまっさかさまですわ。その夜に家族にも当たるし、とりあえずどこに相談すべきか、あれこれ焦りました。


とりあえず、一般の整外科でこういう症状があるのか、近所の整外科を受診。足部のレントゲンは撮ってくれましたが、線維肉腫でフォロー中という事実を伝えると「大学病院へ連絡した方がいい」という判断をされた。もちろん、腰椎症に伴う末梢神経障害の可能性はあるものの、そこでMRIは撮ってもらえなかった。大学病院で一元的に診察受けて下さい、というスタンスだった。

そうして、僕はまた落ち込んで焦った。次回大学病院受診は、来年の1月15日(月)。整外科受付に電話して、10月30日(月)にねじ込んでもらえないか?と談判。しかし受付の女性は「線維肉腫は背中で、今回の症状は左足の甲なので、関連性がない」という理由で「軟部腫瘍外来の予約」はできませんといわれた。そうして、初診扱いならOKです、との返答をいただいた。

この対応にも、すごくガッカリした。現実とは、こんなもんかなぁ。癌の転移って、それこそどこでどんな症状があってもおかしくないんだけどね。そういう一般論は通用しないみたい。この電話の後、うつになって寝込んだのは言うまでもない。左足の甲はまだしびれてるし・・ こうしたとき、僕のマイナス思考はとめどなく拡大して、僕自身を蝕んでいきます。

左足がクロだったら・・ やっぱ切断だろうな。そうして抗がん剤治療するんだろうか? うまくいったとして、義足で栗東から円町まで通勤できるかな? JRがダメなら車通勤? 車買わないとな。高度障害だから、それくらいの保険金はおりるかな? あ、そうそう車庫も確保しないとな・・ ジムは義足を認めるのかな? やっぱ退会になるのかな? どうして運動を確保しようかな? というか、仕事は解雇されないのかな? 等々。そうした愚にもつかないマイナス思考がえんえんと僕をさいなみました。

10月30日にK医大病院整外科を受診。一般外来を初診扱いで受診したんですけど、担当医のN先生がひどかった。予診の若い先生は丁寧で申し分なかったけど、この白髪の目立つN先生は凡庸な外科医にありがちな「ぶっきらぼうでおおざっぱ」な診療をされる。いわゆる「精神腫瘍学」という立場からは、はるか遠いところで棲息されているようにお見受けした。あとでじわじわと怒りがこみ上げてきて、ついつい外来受付の女性に当たってしまった。すみませんでした。結局、一週後の11月6日に脊椎のMRI、さらに三週後の27日に軟部腫瘍外来のT先生の予約が入った。あるべき医療としてはMRIの結果を13日にN先生が説明して、その後にT先生につなげて欲しかった。まあしかし、左足部への線維肉腫の転移はあり得ない、と断じられた。門前払い、ひかえい~みたいな。脊椎転移もないと思うけど、いちおうMRI撮りましょう、というスタンスね。

脊椎MRIの結果をじっと三週間待つのは、辛すぎる、というか阿呆である。だって結果(封書)は自分が持っているんだし。僕は6日にMRIを撮影して、9日の一般外来を予約外で受診して結果をきいた。こんどは若い先生だったけど、わりと丁寧な説明だった。結果としては「脊椎には転移なし」。腰椎ヘルニアはあるけど、今回の左足のしびれの関連は微妙。靴の種類により、しびれや痛みが来たり来なかったりするという症状。これは腰椎症というよりは、もっと末梢の下肢の神経障害を示唆していると思う。これは担当医も同意された。というか、この担当医も僕のことをちょっと敬遠されている気がしたけどね。ま、考えてみると整形外科という診療科は、そもそも「精神腫瘍学」という視点からは遠いんだと思う。

かくして、背中の線維肉腫の転移という可能性は極めて薄くなった。ただし、左足の甲部のしびれは続いています。そしてその原因はまだ確定していません。ジムのトレッドは左だけ靴紐をゆるめて歩いている。雨用の靴は、もうちょっと軽い靴に変えようと思っている。・・ここまで書いてきて、ちょっと閃いた。結局のところ、この左足のしびれは腰椎ヘルニアでいいんじゃないかって。いちばん素直に考えて、それが一番コモンなんですね。末梢中心の症状なので、なかなか自分で納得できなかった。そうか、それでいいのか。

それならば、今いちばんしなければならない処置は「ジムでの運動をしばらく中止する」ことなんですね。それだけで多分治っちゃうんじゃないかな? 腰椎ヘルニアと考えると、スジが通る現象がいくつかありました。結局「精神腫瘍学から遠い」先生がたの意見が、いちばん正しかった。なにが脚を切断するだ! アホらしい。この癌恐怖症に巻き込んでしまった家族に、本当に申し訳ないです。ここ一ヶ月くらい、ずっと仮想の敵と戦ってきました。うつになり、恥ずかしい思いをし、怒り、何もしたくなくなり・・ ほんま、アホらしい。ナヤンデルタール人から、ようやく進化できそうです。( ̄▽ ̄;)