近況をふたつ・・後半に下ネタあり

ひとつめ。さる16日は、午前中外来で、午後はなし。帰宅して昼寝から起きると「なんかヘンやな?」ってなった。なんか喉のあたりが違和感というか、不快な感じがするのだ。でも、そのときは「なんとなく」という感じだったので、放っておいた。そのうち治るかな?みたいな。夕食はハンバーグ。なんとなく喉の違和感を感じながらも、「まあいいか」という大雑把な態度でハンバーグを咀嚼し、つぎつぎと嚥下した。まあ、別に普通に美味しかったし。

私という人間は、どこか不感症なところがある。でも身体的に「苦痛」を感じ取って、あとから症状がでるというケースがままある。このときもそうだった。食後、なんとなくのだるさ、眠たさ、意欲低下などを感じて、寝室へ直行ということになった。それから四時間こんこんと寝て、起きたのが午前0時すぎ。翌日が休みだったのでよかった。のどの違和感は続いている。というか、増悪している。それにプラス、前胸部の鈍い痛みがあるような気がする。「おい、これは気のせいじゃないわ」となる。こうした時、私はたいてい瞑想をするのが常である。いつものように癒やし系ジャズを聴きながら、左足を右ももにのっける半蓮華座で瞑想に入った。自分のよく分からない症状に対して「腰を据えた」ということね。


狭心症? 「のどが詰まる」という、まさにその症状だった。人間ドックの心電図でV456に平低T(わりと虚血的な波形)というデータがある。ただ、持続時間が合わない。夕方からずっとこの症状は「ぼんやりと」あるし、まさか不安定狭心症とかじゃないだろう。うーん、狭心症じゃないと思うな~

食道癌? 確かにお茶を飲むと、喉から前胸部で「つかえる、痛い」感じがするのだ。いや、待てよ。7月31日に人間ドックで胃カメラしてもらったとこやわ。食道癌はないやろ。

瞑想しているときは、考えてはいない。漠然と思念を流している状態です。ふと16日の出来事が頭によみがえってきた。出勤前に頭痛のタネがあったので、ロキソニンを2錠服用。仕事自体は普通だったけど、最後に特殊な診療情報提供書を送付したので、結構つかれた。その後、ネパール料理屋で辛口カレーを食す。まあ、普通にうまかった。で、帰宅してひとくちケーキみたいなのを少し食べた。それから昼寝。起きてから、症状が出始めた。

つまり、状況証拠としては逆流性食道炎なんだな。確かにそういえば、お茶を飲んだときに心窩部の上あたりで、鈍痛がある。これ、わりと痛い。そうすると、喉のつまった感じは関連痛だったのか? あるいは胃液がそこまで逆流していたのか? 翌日から、嫁のネキシウムをいただき、飲み始めた。ネキシウム、よう効くね~! やっぱりこの症状は逆流性食道炎だった。たまに自分の症状をうまく説明できない患者さんがいるけど、今回の複雑な症状を体験してみると、そういう「混乱」って理解できるような気がしました。今は炭酸とアルコールは断っています。贔屓のネパール料理屋にまた行くのは、10月以降かなぁ?



ふたつめ。最近、医師三年目の若者に、土曜の診療を手伝ってもらっている。T先生という長身で真面目な感じの青年である。我々としては、できるだけ当診療所に根付いて欲しいし、診療の中でよい勉強をして欲しいと願っている。分からないことがあれば、いつでも質問してね、と伝えてある。19日の診療では「先生、AMIです!」と呼ばれて、心電図みたら確かにST上がっとる。「よし、AMIセット行こう!」とテンションマックスで指示したはいいものの、心電図をよくみたら、ただ基線が振れているだけだったという話。最終的な診断としては、肋間神経痛ということになった。でも患者さんは、体験したことのないほどの胸部痛だったのだ。T先生の動揺も、ある程度は理解できる。言うなれば、これもひとつの勉強だからね。

さて、次の週の26日。私が外来でセッティングなどしていると、看護師から「T先生が遅れるそうです、10時半くらいになるそうです」との伝言あり。ふーん、遅刻か、、 なんか特別な事情でもあったんかな? 私はそれほど気にも留めず、外来を開始した。八月の終わりで、受診者は少ない。T先生抜きの二診でも十分対応できる感じだった。12時半ごろだったか、仕事も終わりかけで、白衣を脱いでトイレに向かう。三診目をみると、もうT先生の札は横向きになっている。「ふむ、もう帰ったのかな。今日は外来も暇だったし、あまり勉強にもならんかったやろな」 私はトイレで小便をしていた。外来終了後は、私のムスコは完全にしなびている。尿線もちょろちょろ下向きである。そして膀胱に大量の尿がたまっているので、放尿時間がとにかく長い。しなびたムスコを保持しながら「今日も無事終わったなぁ~」と心のなかでつぶやくのである。

そうした小さな幸せ感に浸っていると、ふいに左後ろ45度から「先生!」と声がかかった。私は最初なんのことか分からず、しかし尿は止めることもできず、左後ろ45度をみると、T先生が立っていた。「おお、先生、あの症例はやっぱり肋間神経痛やったね」 上体は左を向いているが、下半身は正面で、しなびたムスコからは尿が出続けている。T先生いわく「今日は本当に、すみませんでした。これからはこんなことのないように・・・」 彼は遅れたことを謝っているのだ。やっぱり寝坊かな? 本当に実直に謝罪されていた。その間、尿線がいったん途切れて、ふとポールポジションを再確認した。彼の謝罪が終わり、発言は私の番を迎えていた。私はムスコを前後にしごきながら、なんと言ったらいいか混乱していた。私は同時にふたつのことをするのが苦手なのだ。彼と私の間に、奇妙な沈黙がただよった。といっても、5秒くらいだが。尿はまだ完全に切れない。私はしなびたムスコをしごきながら、こう言った。

また、よろしくお願いします!


T先生は、とりあえず一礼してその場を立ち去った。尿はいつの間にか止まっていた。しなびて短いムスコを二度ほど縦に振って、パンツの中にしまった。私はヘンなことを言っただろうか? 開業ほやほやの定食屋のおやじみたいな発言だったな。ま、いっか。青年よ、よく学べよ。以上、近況をふたつ語りました。