近況・・赤のスイフト買っちゃったよ(後編)

(承前)翌16日(木)。夕方、夫婦で外食して帰ってくると、ポストに名刺が入っていた。ホンダのKさんだ! 名刺には、精鋭たるメモがしたためられていた。なんと優秀な営業マンであろう! なんという嗅覚だ! ギリギリのタイミングで滑り込んでこられた。ちょっと怖くなりつつも、名刺に書いているメルアドに、その後の顛末を書いて送っておこう、、と考えた。現状、あまりホンダに関わるのも意味がないような気がした。日曜にでもメール書こう、そうしよう。

そして18日(土)。夕食時に電話がなる。知らない番号からだ。「誰からだろう?」訝しみつつ受話器を取ると、それは精鋭たるKさんだった。私は度肝を抜かれ、大いに慌てた。こうなると、真実をちゃんと語るしかない。降参である。Kさんは、ぜひフィット3を試乗して下さい、もう一度お話させて下さい、と懇願された。もうここまで来ると、しょうがない。23日にスズキとホンダをはしごするしかない。フィットもちゃんと公平に試乗して、最後のお別れをしよう。そしてホンダさんには「ホンダに足りない何か」について、率直に語ろうと思った。


そうして迎えた23日(木)。まず10時にスズキへ。イグニスとスイフトの試乗を済ませる。やはりスイフトの方がしっくりくるな。担当Tさんも、とても有能で信頼できそう。ローンの金利はホンダと同じことを確認。スズキで車を買うのに、ほぼほぼ支障はない。納車も三月中には行けそうとのこと。さあ、実際に購入の書類作成となると、二時間くらいは必要となる。ここで気が進まないが、いったんホンダへ移動することに(車で5分以内)。

ホンダには精鋭たるKさんが、ずーんと待ち構えていた。あちらも「クライアントが奪われる」という事態に、ぴりぴりっとしたオーラが出ている。まずはフィット3の試乗。正直、悪くないと思った。息子も同じ意見。ただ、、14年フィット乗ってきて、またフィットかよ・・というもっともな意見はある。何も起こらない毎日に追われる我々にとって、車種を変えるというささやかな愉しみは「絶対にあっていい」と思う。これは消費者に留保された「権利」である。

精鋭たるKさんとの面談。できるだけ率直にお話しした。わが家のニーズとホンダさんの方向性の齟齬。しかし今回、車買い換えのきっかけを作っていただいたこと。つまり感謝しつつも、ディーラーを変えること。これについては、こちらも真摯な態度でお話しした。「今回はスズキで。でもまたいつかお世話になるかも」と最後の挨拶を交わした。結局、Kさんはいい仕事をしたと思う。クライアントは失ったが、無形のなにかを収穫されたんじゃないかな。さすが、精鋭(笑)。

近くのサイゼリアで腹ごしらえ。サイゼリア、なかなかいいね。その後、スズキへ戻る。購入のための事務的なこと。たくさんの書類に署名捺印した。そうそう、車の色をどうするか。嫁と息子の意見は「赤」。私は赤なんて乗ったことないぞ。でもスイフトの赤はそれこそ「社運をかけた」くらいにスズキの意気込みが入っているらしい。値段も少しお高い。赤を選択することで、日常の「染みついたよどみ」が少しでも払拭されればいいと思った。刷新の赤となることを願って。ちょっと恥ずかしい気持ちもあるけど、これは正解だったと思いますよ。

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3月23日(木)が納車。スズキの営業所にフィットで行くのだが、スペアのタイヤ四本を載せていくことに。担当Tさんが、この中古タイヤの処分も了解して下さったのだ。でも、載っけていくと乗れるのは二人。それじゃ、お蝶夫人♪と息子で行ってきなよ、と私は自宅で保険屋さんと事務手続きのあと、スポーツジムで汗をかいた。スズキでは盛大に成約のお祝いをされたようだ。所長や工場長も出てきて、総出で挨拶されたみたい。花を持って記念撮影とか。息子から「お父さん、やっぱ行くべきだったかも」と言われた。ま、いいねん。おれはメインユーザーちゃうし。ぼちぼち乗りますわ~

赤いスイフトには、まだ一回しか乗っていません。だからまだ「自分のくるま」という実感がない。愛着は、これから徐々に育てていこうと思います。でも、総じて「いい買い物」だったように思う。ディーラーさんとの別れというのも、勉強になった。まずは家主として、ローンをしっかり払っていこうと思います。以上「赤のスイフト買っちゃったよ」と題して文章こさえました。