近況・・赤のスイフト買っちゃったよ(前編)

IMG_0789結婚して14年目。いろんなものが古くなり、買い換えの時期に来ている。例えば、愛車フィットにしてもそう。走行距離こそ6万kmも行かないけど、やはり14年目となると、やれ修理だのなんだのでカネがかかる。もちろん車体は凹みや擦り傷だらけ。買い換えたいのは山々だけど、どこにそんなカネがあるのよ?みたいなやりとりを、家族内でうんざりするほどしていた。

2月13日(月)の夜、わが家がザワザワし始める。その日の午前、私はフィットの12ヶ月点検のため、ホンダの店舗へ来ていた。一時間くらいの退屈な手続きである。退屈なのは承知なので、待ち時間にできるタスクを持参していた。そこへ担当のKさんが眼光鋭くやってきた。そう、新車の売り込みである。「そんなカネあるかいな?」と冷ややかな目で見ていたが・・ Kさんは熱心にフィット3を売り込む。仮の明細まで印刷してプレゼンしはる。実を言うと、フィット3は嫁や息子の評判が芳しくないのである。「買うにしても、ホンダでは買わんやろ」と内心思いつつ、明細のある部分に興味をそそられた。つまり「車をローンで買う」という選択肢です。私も嫁も、車はキャッシュでしか買ったことがない。ローンというと、かなり損なイメージがあった。でも、Kさんの提示した明細をみると、「これ、アリやん!」と閃いたのだ。


ホンダの精鋭営業マンKさんに「フィット3もわるないと思いますけどね~」とあやふやな言葉を残して、帰宅。実際その時点では、私個人はフィット3で別にいいと思っていた。そうして夕食の時間。わが家の大蔵省、お蝶夫人♪閣下にその旨を切り出してみた。閣下は初め、冷たい視線で私をみていた。冷たいというか、少なくとも無関心という風情だった。閣下は「わが家の財政逼迫」について精通しておられる。その態度は部下の私にも痛いほど理解できる。しかし、である。この話を切り出してから10分以上過ぎてから、閣下はふと何かに想い至ったようだ。この変化は、部下の私にも意外な印象を与えた。閣下はおもむろに口を開いて言った「むぅ・・車を買い換えよう」。

その理路とは、以下のようなものである。私は現在、背中の肉腫の術後で、再発のリスクを負って生活している。万一、再発が現実となった場合、車の買い換えどころではなくなるのだ。滋賀は車なしではやっていけない場所である。最悪、おんぼろフィットが廃車になったとき、どうにもこうにも動きが取れなくなる。お蝶夫人♪は、この事態を怖れたのだ。そしてローンで買うという選択肢も、なるほどとご了解をいただいた。ありがたき幸せ、閣下殿。

そこからは団らんから家族会議へ突入となった。じゃあ、何を買うのか? 息子は車についての知識はいちばん詳しい。私が「フィット3がいい」という根拠は、とくに何もないのだ。息子は即答でスズキのイグニスを挙げた。その他、コンパクトカーという分野は熾烈な競争があるようで、他にどんな車があって、各々どんな特徴があるのか、さっぱり分からない。ただ、2月23日(木)を「車サーチの日」として、ディーラーさん巡りをすることに決定した。それまでは各自調査ということで、いったんお開き。

15日(水)に第二回家族会議。イグニスは駐車場の高さをクリアしないことを確認。フィットは居住性はいいが、走りとなるとどうか? 他、ヴィッツとか? 議論が紛糾しかけたその時、スズキのスイフトという案が浮上。クーペにみせかけて4ドア(後ろが隠しドア)とか、運転を楽しむというコンセプトを追求している。三人で話し合うプロセスで、現在のわが家のニーズが浮き彫りになった。つまり、14年前はファミリーカーが必要だったが、現在は各々一人で乗ることが圧倒的に多い。三人で乗ることはほぼ無い。つまりスイフトに決まり、という結論に達した。23日にスズキの店舗に試乗申し込みも済ませた。事の発端となったホンダの精鋭Kさんのことは、悪いけど知らんふりしとこうか?などと軽く考えていた(後編へつづく)。