近況・・夫婦でお出かけ(1)

「夫婦でお出かけ」というお題で、ふたつほど近況を書いてみたい。まず、3月22日に「大人の塗り絵」の展覧会に行ってきた。場所は西宮。はじめは独りで行くつもりだった。お蝶夫人♪の都合がついたので、めでたく二人で行くことに。こういうのは、やっぱり相方がいた方がいいですよ。西宮まで長い道中、黙々と独りで移動するのは、まるでふりかけをかけずにご飯を食べるようなものだ。夫婦というのは、日々の諍いとか、いろいろあるわけですが、こうした時の「ふとした味わい」は、有り難いものだと思います。

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確認事項ですが、私は「真珠の耳飾りの少女/フェルメール」で入選した。もちろん、自分の絵を見に行くのが一番の目的。手塩にかけた絵が、自分の手を離れて、どのように展示されているのか。この絵と再会するのが、なんと半年ぶりなんですね。昨年の夏頃に夢中になって制作した絵を、少し時間と距離を置いて再確認する、みたいな。以前のBlogにも書いたけど、自分は「入選はするやろ」という高慢な気持ちを持っていた。「真珠の耳飾りの少女」という絵画は、なんといっても少女の表情が難しい。顔というのは、どんな場合でも難しいと思います。でも歴代の入選作を見ても(HPで確認できる)、それほど上手いと思わなかった。「なんや、俺の方がうまいやん」という不遜な気持ち。ま、展覧会をみた後は、自分がいかに「井の中のかわず」だったかに、打ちのめされるんですが。


当日は初春の行楽日和。JRにて、まず大阪へ。日曜日で新快速は満員。結局ずっと立ちっぱなしだった。私という人間は、見てくれほどタフではない。けっこう疲れやすいし、自分でも「たくましい」タイプではないと思っている。そこへ行くと、お蝶夫人♪はたくましいと思う。たとえば今回、私は帰宅したら寝るつもりだが、彼女はそのまま、夕食に担々麺を作る予定なのだ。俺はきみを称賛するよ、アドミラル・マイワイフ。きみ無しでは、わが家は回らないよ。

大阪駅で、阪急に乗り換え。慣れない場所で、うろうろして、ようやく阪急梅田駅にたどり着く。阪急に乗るのは久しぶりだな~ のんびりとした心持ちで大阪の郊外を眺める。いい天気でほっこり。梅田から七駅で西宮北口に到着。ここはちょっとした都会だな。展覧会の会場は、駅からすぐそこ。

展覧会場は、わりとしんとしていた。本日が最終日だからか、人もまばら。ちょっと拍子抜けしながら、入賞作から観てまわる。まず目に付いたのが、画材の多様さ。思わず「はー!」と声が漏れた。ちょっとした衝撃だな。なんという発想の自由なこと。自分がクーピーペンシルにこだわっていたのが、まったくアホらしいことだと思い知らされた。もっと自由でよかったんだ。「漆黒の闇」をつくりだすのに、もっと適した画材はいくらでもあったはず。あ~俺、何してたんかなぁ。まさに「井の中のかわず」、、

ちょっと変わった画材としては、ラメペン、マニキュア、ボールペン、修正液、スプレーニス、マーカー、ティッシュ・・等々。この多彩さには、目から鱗がボロボロ落ちた。例えば、光の反射を表現したい時に、修正液なんかは有効だと思う。あるいは、輪郭をくっきりさせたいときは、ボールペンがよい。もちろん他にも、アクリル絵具、水彩絵具、パステルなど。やはり絵具について、もっと勉強すべきだと反省させられた。

そんな風に、展示されている絵画を観ていると、次第に例の高慢な気持ちが消えていった。むしろ自分が入選したことが「めっちゃ僥倖」であるという認識に変わっていった。審査員の基準に「ほんの少し、ギリギリの線で辛うじて残った」という想像ね。展示物を観て、いちばん感じたのは「厳しさ」かな。次回また入選するには、そうとうな創意工夫が必要になるだろう。逆に言えば、クーピーペンシル一点張りという束縛から解放されて、もっと自由な発想でいいんだというコペルニクス的転回。わくわくするような、途方に暮れるような(笑)

ふと振り返ると、老夫婦が俺の「真珠の耳飾りの少女」を腰をかがめて、じっと観ておられた。ああいうのは、ちょっと嬉しいもんです。お蝶夫人♪に「俺のみられてる!みられてる!」とゼスチャーで伝えたり(笑)。また頑張ろうという気になるね。総括すると、大人の塗り絵のトレンドは「イマジネーションと創造性」である。単に「塗った」だけでは、まったく通用しないレベルまで来ている。実際に展覧会場に足を運んで、そうした「空気」を肌で感じられたことは、大きな収穫だった。

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会場を出て、てくてく歩く。日曜日でどこも混んでいたが、ちょうどいい感じのイタメシ屋さんがあったので、ランチを夫婦でいただく。飛び込みで入ったにしては、上出来な美味しさだった。こうして、ちょっとしたお出かけに相方がいるのは、とても素敵なことです。あ、このイタメシ屋さんも、お蝶夫人♪のお薦めです。俺一人だったら、どこかのラーメン屋さんで貧相な昼飯くってただろうな。イタメシ屋さんは、両サイドのガールズトークがうるさかったが、美味しくいただきました。最後に、久々のツーショットを載っけておきます。帰りの新快速は座れたが、私はけっこう疲れた。もちろんお蝶夫人♪は、帰って休まずに担々麺作りました。アドミラルのど根性には、いつも敬服いたします。お次がよろしいようで・・( ̄▽ ̄;)