近況・・描き直した!

真珠の耳飾りの少女 2例の「真珠の耳飾の少女」について、報告など。「描き直すぞ!」と決意Blog書いたのが、7月14日のこと。あれからしばらく、この絵画のことからは遠ざかっていた。というか、あまり考えたくなかった。要するにリセット期間ね。ようやく「そろそろ・・」となったのが、8月上旬かな。何事も、とっかかりは腰が重いもの。実際に描き始めたのは下旬になってからでした。

いったん始めると、やはり割とやりやすい。だって、一度描いてるんだから、だいたいの方法論は把握している。描き直しのテーマは「漆黒の闇をどうひねり出すか?」と「顔の表情は、できるだけさっぱりと」ということかな。背景の黒って、クーピーペンシルでは、本当に出しにくい。クーピーペンシルの「黒」って、ぜんぜん紙に「のってこない」んです。原色系は、だいたいダメ。赤ものらない。だから、他の色を複合して、黒や赤をひねり出す必要があるわけです。


前回「漆黒の闇」は「ふかみどり、こげちゃ、くらいはいいろ」を混合して、なんとか出していた。でも・・もうひとつ黒くならないのね。これで大いに悩んだ。今回、ひとつ発見があって、ここに「あいいろ」を加えると、かなり黒くなる。キレのある黒というか。それでも、原画の「漆黒の闇」には、到底およびませんが・・ でも、クーピーペンシルの限界まで、行けたでしょう。今回は、もう執拗にならないでおこうと決めていた。それと今回気づいたこと。背景の闇って、少女の前と後ろでは、微妙に色合いが違うのね。前方の闇は、ごくわずか、赤みが強い。後方の闇は、ずっと深い黒。緑とか藍色が強いと思う。これは、光の方向をちゃんと計算しているんだと思う。少女の上前方から光が入っている感じね。

あと、気づきといえば「くちびるの赤」について。明るめの赤とか暗めの赤とか、これも相当に難しいんですが、みかんいろが、結構いけるのね。ちょっとオレンジ系を混ぜることで、くちびるの色合いが、かすかにポップな感じになる。女性がルージュを選ぶときに、こうした「オレンジ系を混ぜる」という気分って、あるのかなぁと。こうした女性ならではの繊細さって、普段はわからない。俺なんか、男おいどんなので、気づこうともしない。でも、こうして色にガチで相対するとき、そうした「普段見えない世界」を垣間みたような気がした。「おおー」って感じね。

すでに第九回の「大人の塗り絵コンテスト」が作品募集中です。今月中には出品しようと思っています。どう評価されるかは、全然分かりませんが・・ あらためて原画と比べてみると、やはりげんなりしてしまう。ま、この「真珠の耳飾の少女」は、あくまでも第一歩。これから、どんどん描いていこうと思っています。現時点で考えているのは、ルノワールのがふたつ、ミレーのがひとつ。今後、どういう風に展開するのか、自分でも分かりませんが、「絵を描く」という楽しみに目覚めることができたのは、2014年の大きな収穫だったと思います。南彦根の書店での出会いに、感謝。偶然って、素晴らしい。以上「真珠の耳飾の少女」のその後について、報告いたしました。