2013年を振り返って

IMG_0124今年最後のBlogは、やはり一年を振り返って文章を書いてみたい。2013年を振り返って・・一番感じるのは「自分は多くの人に支えられて生きている」ということ。今年は最終の減薬で、四月にいちおうの「成功」ということで、ホッと一息ついていた。しかし、五月が想定外だった。異様な仕事量で、ズタズタになった。

減薬は、もともと私のプライベートなトライアルである。体調を堅持するのは、プロとして当たり前。それをできなかったのは、ひとえに私自身の落ち度。でも、あの五月は「このままでは殺される」という危機感と怒りしかなかった。運命が用意した、恐ろしい落とし穴。そんなはずじゃなかった・・でも、気づいたら、のるかそるか。(写真は6/16,17の手帳。ホテルへ家出した)


例えば、10年前の私なら、五月の想定外の消耗と六月の躁うつの嵐を切り抜けられただろうか? 自分を殺して、ひたすら黙っていたかもしれない。そうして「敗者」に成り下がっていたかもしれない。しかし、この10年で私という人間は進化した。「怒る」という技術(コミュニケーション)を身につけたのだ。不快や理不尽に遭遇したとき、それに対応した素直な感情を出していいということ。ここで黙っては、自分にも組織にもプラスにならない。そしてかなり無茶なタスク(データ収集、分析、事務長さんとの面談など)をこなして、極めて論理的、紳士的に「怒り」を伝えた。

この懸命のプロテストは、秋に実を結んだ。S医師が外来診療に本格的に参入されるとのことで、大幅に私の仕事量が軽減され、非常に快適に「総合内科」としての診療をできる体制となった。その背景には、S事務長さんを始めとする、たくさんのスタッフの方々の尽力を想像しています。私はいち非常勤医師なので、そうした内部のあれこれは知る由もない。でも現状、とても快適に仕事させていただいていることを考えると、本当に嬉しくて言葉にならない。いろんな人に、感謝の言葉を申し上げたい。ホントに僕は、恵まれています。もったいない。

ここで一番言いたいのは、疲労困憊でも、怒り心頭に発していても、恐怖に震えていても、自分の言いたいことを、ちゃんと相手に伝えること。それも感情的にならず、丁寧に、論理的に、紳士的に。今回学んだことは、そういうことです。伝えなければ、いくら不満に思っていても、ゼロです。何も変わらないし、動かない。まずは相手にちゃんと伝えること。僕という人間は、コミュニケーションがすごく下手です。それでこれまでの四十数年間、どれだけ損をしてきたか。そういう「ダメな自分」を、今年は少しでも越えることができたんじゃないか。

こんなこと書いていても、家庭では嫁に怒られっぱなし。「あなたは宇宙人みたい。なんでもっとちゃんと伝えないの!」これ、うちの定型句です(笑)。結婚して10年、私を鍛えてくれたのは、お蝶夫人♪その人です。妻を師匠と仰ぎつつ、来年以降もがんばって学んでいこうと思います。最後になりましたが、T診療所のみなさん、K診療所のみなさん、本年は大変お世話になりました。また来年も、よろしくお願い申し上げます。まるろぐをご覧のみなさま、よいお年をお迎えください。