主婦って楽なの?

村上さんのQ&Aのコーナー! 今回も「そうだ、村上さんに聞いてみよう」から質疑応答を抜粋して、まるちょうなりに考察してみる。

<質問>春樹さんは女性がだんなさんのお給料だけで生活することについて、どう思われますか? いわゆる「主婦」と呼ばれてる方々はみんなそれに当たるのでしょうが・・ いーじゃん、そんな事どーでもと言われそうですが(私も人には多分そう言うと思います)。だからこそ聞けないのです。就職して以来、ひとの財布を預かって生活した事がない私は、33歳にもなってそんなことがわからないのです。(プログラマー、結婚四年目、子供なし)

<村上さんの回答>僕は女性は、もしそういう機会があるのなら、できるだけキャリアをもった方がいいと考えています。精神的な自立は、多くの場合、経済的な自立と結びついているからです。「天はみずから助くるものを助く」と言います。

でもそれと同時に、社会的なキャリアがすべてではないとも思っています。会社みたいなくだらないところに縛られずに、自由に真剣に「個人的キャリア」を追求している女性(主婦)だってちゃんといます。当たり前の話ですが、人の生き方の価値はかたちや外観で決まるものではありません。人それぞれ事情があり、世界観があります。まわりの状況にあわせて、どれだけ自分に正直に十全に生きられるか、それが一番大事なのです。決めるのはあなた自身です。他人ではありません。


<まるちょうの考察>私の妻、お蝶夫人♪は専業主婦です。そこで、上記のやりとりについて訊いてみた。すると当事者ならではの視点で、鋭い指摘があった。つまり質問者の女性には、言外に「専業主婦へのある種の侮蔑」が含まれていると。なるほどね~! わが妻はずばり、村上さんのおっしゃる「自由に真剣に個人的キャリアを追求する」主婦であります。それは夫である私が認める。その上で、少し考えてみたい。「家を守る」という仕事の本質について。

昔どこかで「なんたら総研が、主婦の年収を算出してみた」という記事があったように思う。ああいうの、意味ないわ~! なぜなら、主婦業には大きな罠が潜んでいるから。それは「さぼろうと思えば、いくらでもさぼれる」ということ。当人のやる気次第で、天と地の差が生じる。主婦としての志が低い人は、どんどん品格が崩れる。その一方で、栗原はるみのようなカリスマも出現してしまう。まさに月とスッポン。

そうしたことを踏まえて、まるちょうはこう考える。「家を守る」という仕事は、もっと尊重されてよいと。誰かが「主婦は家庭のエンジン」と喩えていた。それじゃ夫は何なんだよ、というツッコミは置いといて、この比喩はうなずける。だって、炊事、洗濯、掃除、育児、買い出し、その他こまごまとした雑用・・ それらを完璧にやろうとしたら、相当な労働ですよ。まさにエンジンだと思う。主婦業は、もっと評価されてよい。

ひとつ感じるのは、働く女性と専業主婦の間の自意識のぶつかり合い。「いいわねぇ、働きに行かなくていい人は・・」のような皮肉な視線。質問者の意識には、これがあると思う。そしてお蝶夫人♪は、それに感づいた。というか、実際にそうした言葉を投げかけられ、不本意な思いになったことも多々あるそうです。女の戦いですな~ ちなみにお蝶夫人♪は、この秋「支援教育専門士」という発達障害支援のスペシャリストの資格を取りました。そのために、三年間通信制の大学(年間五回程度のスクーリングで大阪へ通学)でたっぷり学びました。たくさん本を読み、レポートを呻吟しながら作成、スクーリングでも活発に取り組んでいたようです。夫として言えることは、この「燃えるような向上心」は誰にも否定できないということ。こうした取り組みで、できるだけ家事に影響の出ないよう、最大限に配慮もしていた。

だからね、彼女としては「楽な主婦」という見方は心外なわけですわ。彼女なりのプライドを持って家事に向かっているし、2003年まで看護師として19年間身を粉にして働いたという自負も、おそらくあろうかと思う。女の戦いは避けられないとしても、夫としては理解しているつもりです。村上さんは最後に「決めるのはあなた自身です。他人ではありません」と結んでいる。このひとことが、全てを解決するんじゃないかな。以上、村上さんのQ&Aのコーナーでした。