昨日までの君は死にました、おめでとう

お題を決めて語るコーナー! 年初にちょっと考えるところあり、Twitter自粛などしていました。これはどういう意味なのかというと、ずばり「自分への罰」です。まるちょうという人間は、基本「快楽主義者」であります。これはお蝶夫人♪が、いつも指摘すること。噛み砕いて言うと「すべきことよりも、したいことを優先してしまう」という傾向。ノルウェイの永沢さんに笑われそうだな。そうした「自分のイヤな部分」を、年初にとことん考えたわけ。なんで俺って、こんなに自分に甘いんだろうか? 自己嫌悪の極み。嘔吐、嘔吐、嘔吐! ひとつだけ具体例を挙げると、食後すぐに歯を磨かないこと。まるちょうはいつも、食後はなんか意識がぼんやりしてしまい、歯を磨かず寝てしまうことが多い。これは嫁にいつも指導されている。でもどうしてもできない。ぼんやりとした意識の重さに負けてしまう。普段は医師として「食後に歯を磨きましょう」と、指導する立場なのに・・ すべきなのは頭では分かるんだけど、どうしてもできない。こうした「悪しき自分」に嫌気がさすのです。

前振りが長くなった。今回のお題は「昨日までの君は死にました、おめでとう」です。このフレーズはさだまさしの「Happy Birthday」といううたの一節です。以下に引用してみます。


Happy Birthday/さだまさし作

この音楽を聴くためには<a href="http://www.apple.com/jp/quicktime/download/" target="_blank" rel="noopener">Quicktimeプラグイン</a>が必要です。

♪誰にだってひとつやふたつ 心に開かずの部屋がある 一生懸命生きているのに 傷を恥じることなどないさ 雨が降る日に気になるものは 雲の大きさばかりだけれど 空の広さに比べれば 別に大した事じゃない だから HAPPY BIRTHDAY HAPPY BIRTHDAY 昨日までの君は死にました おめでとう おめでとう 明日からの君の方が 僕は好きです おめでとう♪

この曲は、今から10年くらい前にYさんに教えてもらった。さだまさしの楽曲の中で、わりと地味な作品だけど、まるちょうは大好きなうたです。このうたで一番ドキッとさせられる部分は「昨日までの君は死にました おめでとう」という言い回しだろう。冴えわたる、さだまさし独特の言霊。これは取りも直さず「昨日までの君(自分)」に対する、深い嫌悪を表していると思うのね。今までの「ダメな自分」をどうしても越えられない自分。これは呪怨ですらある。

考えてみると、人生ってこうした「自分にとっての壁」との戦いである。自分に対する「呪怨」を見てみない振りをするか、あるいはちゃんと立ち向かうか。人間なんて、人生の最後の最後まで「自分に嘔吐できるかどうか」だと思うんですよ。これは、かのニーチェ先生もおっしゃっている。年齢とともに「自分を許すことに慣れる」傾向があると思うのね。そうして自分を甘やかすにつれ、どんどん老化は進む。小さくてもいいから「自分の中のイノベーション」を続けることが、混迷の中高年を生き抜く要諦だと思うんだけど。・・昨日までの自分を殺そう。そして、祝おう。悪しき自分を葬れた自分を誇りに思おう。殺すとか葬るとか、物騒だなと言われるかもしれないが、古くて自分を腐らす「皮」を剥ぐためには、それくらいの「殺意」が必要なのだ。悪しき習慣は、それくらいじゃないと決別できない。

さて、自分の心にある「開かずの部屋」を人生の中でどれだけ多く開けていくか。もしかして、それで人生はけっこう変わるんじゃないか。傷を受けるたびに「開かずの部屋」は増えていく。でもさださんは「もっと大きな気持ちで考えようよ」と優しく諭してくれる。「開かずの部屋」を、開けられないとあきらめてはいけない。時期がくれば、いつか開けられる時が来るから。まずは焦らずに待つことだ。あきらめたら、そこで試合終了なんですよ。←by 安西監督w

おかげさまで、今は食後の歯磨きの習慣もかなり改善した。まるちょうは今「食後に歯を磨かなかったダメな俺、ここに眠る」との墓標を立てる。これは「死」と同時に「新しい自分の誕生」を象徴する。この爽快感、やばいね(笑)。

以上、「お題を決めて語る」コーナーでした。