近況その壱

近況をみっつ書くつもりでしたが、最後のひとつが予想外に長くなりそうなので、分割してアップします。まずは、最初のふたつを。

ひとつめ。今月の2日(日)のこと。神戸にジャズのコンサートに行ってきた。 chickチック・コリア率いる「Return To Forever」。私はチック・コリアやRTFのことをよく知っていたわけではない。ただ、御大(=チック)も今年70歳。なんだかんだ言ってもジャズ界の巨人であり、一度は生のお姿を拝見したいし、生の演奏を聴いてみたい。とうわけで、コンサートまでにRTFの主なCDを何枚か集めて、可能な限り聴きこんだ。当日の午前は、京都市内で健診外来。その後、四条大宮のサウナで休憩して、懐かしの阪急電車でいざ、西宮北口へ。17時から開演だったので、軽くあんドーナツなどお腹に入れて、会場へ。開演前の気持ちとしては、やっぱ平均年齢66歳だし、それほど期待したらいかんかな?という感じ。若い頃のパワーとか、エネルギーとか、そういうのは期待したらいかん。渋めのRTFだろうな~、と勝手に想像していた。


しかし、である。結論から言うと、最後は一階席総立ちだった。私は彼らを侮っていた。高齢者なんて、とんでもない。まさに溢れるエネルギー、圧倒的なパワー。初めの入場の仕方からして、ファンキーだ。会場の後ろから現れるんだから。意表突かれまくりやんけ! 最初からスタンディング・オベーション。もう少しで握手できそうだったんだけど・・ とにかく飽きさせない構成で、いかに観客を楽しませるか、のせるか、よく練り込まれたコンサートだった。stanleyチックのキーボードやピアノもさることながら、度肝を抜いたのは今年還暦のスタンリー・クラーク。すごいパワフルなベース(エレキ、アコースティク共に)! 還暦とはとても思えない。ヴィクター・ウッテンばりの激しい超絶技巧を繰り出すところなんか、目が点になった。いやいや、若いね~、あの体格は、かなりフィットネスもやってるね。

個人的に、チック・コリアのプレイスタイルって、すごく細やかで手数が多いというか、悪く言うと「若干神経質で、落ち着かない」というイメージを持っていた。実際、現代音楽風の冷たい感じの楽曲もある。それはそれでひとつの表現なんだけど・・ したがって、勝手に「神経質で気難しい、近寄り難い」キャラを頭に描いていた。しかし、今回のステージで、その悪しきイメージを見事に打ち壊された。めっちゃ気さくで、スケールの大きな人やん。ステージを飛び跳ねる姿は、とても「古希のおじいさん」とは思えず、むしろ「音楽の大好きなピュアな少年」のように私の目には映った。大いにパワーをいただいた帰路、電車の中で「すげーなー」と頭の中で、熱いコンサートの記憶を反芻していた。

ふたつめ。15日に、息子のダイゴが大学受験だった。といっても、推薦なので気は楽。でも、本人にとっては、相当な緊張だっただろう。面接の練習を何度もして、彼なりに必死だったと思う。当日私は土曜の一般外来。若干気にしつつも、とりあえず自分は目の前の仕事に集中。仕事が終わったら、メールでお蝶夫人♪に確認するつもりだった。14時半に勤務終了して、近くの讃岐うどん屋さんで昼飯。ちょっと緊張しながらメールしたんだけど、これが全く返信なし。「おいおい、なんか変なことあったんかいな~」と、ややブルーな気持ちで卵とじうどんをすする。店を出てからも、ずっと返信なし。JRの中で、私は宙ぶらりんの重だるい心持ちで、何をする気も起こらず。結局15時20分くらいにメールあり、無事終了して元気に帰ってきたと。それまでミッドナイト・ブルーだった私の心は、一気に晴れ上がり、窓の外の景色まで輝いて見えた。帰宅してダイゴの表情をみたら、合否は明らかだった。19日に正式な合格発表あり。秋にして、サクラサクの嬉しい出来事でした。試験自体は普通の受験に比べたら楽だけど、それはちゃんと所定の成績を修めた故のアドバンテージ。推薦枠を勝ち取ったダイゴの頑張りを褒めてやりたい。学校自体が苦手な彼が、よく頑張ったと思う。大いに胸を張って下さい。