近況(2)

前回に引き続き、近況を。みっつほど。

ひとつめ。これは仕事の話だけど、19日の一般外来で、久々に急性心筋梗塞(AMI)の患者さんを診た。AMIというのは、基本的に救急搬送されて救急で対応する病気である。でも、患者さんが「それほどの大病と思わず」一般外来を受診することも、ごくたまにあり得る。60代の男性で、前日昼からの胸部圧迫感。次第にひどくなり、総合内科外来を受診。こうした患者さんは、経験を積むと「これは普通じゃない」という直感が働く。この患者さんは、胸部症状が断続ではなく、ほぼ持続しており「まずいな」と思った。とりあえず、心電図や採血など検査。ルート確保、ニトロ舌下。間もなく心電図の結果が入ってくる。その心電図を見て、アドレナリンが体内で噴出するのを感じた。AMIの心電図にお目にかかるのは、本当に久しぶりだったので、正直ちょっと慌てた。救急対応と違い、一般の外来患者さんを診ながら作業しないとダメなので、これは結構疲れる。なんとか関連病院の救急へ送り出して、ほっと一息。右の冠状動脈へ緊急インターベンション(PCI)が行われ、うまく救命できた模様。そうした状況を後で電子カルテで眺めるのは、診断医としては「小確幸」ですね。C病院の循環器スタッフのみなさま、お疲れさまでした。


ふたつめ。21日勤務後、山陰の京丹後市へ向かった。後輩のI先生宅にお邪魔して、近況の語らいとカニ料理をいただくという目的のため。21日(日)は、午前中が京都市内の診療所で健診外来だった。仕事内容自体はいつもと変わりなかったのだが、次第に熱っぽくだるくなってくる。旅行を控えているので「やばいな~」と思っていた。西舞鶴行きの特急が14時半頃。それまで時間を潰さなければならない。こうした場合、JR京都駅に連結した「SUVACO」にある、リフレクソロジーの店を利用することにしている。ちょっとお高いけど、寝てるだけでいいし、疲労も回復できるし。その時も待ち時間が1時間以上あったので、45分のコースを奮発。おかげでうとうとまどろむことができた。

そして特急に乗り込み、一息つく。だるさはまだあるし、頭痛も出てきた。すかさずロルフェナミン2錠を投入して、うとうと寝る。これが結構効いたみたい。丹後大宮に着いた頃には 、かなり気分は良くなっていた。でも、元気というほどでもない。I先生との再会は、若干表情が硬かったかもしれない。I先生のご自宅で談笑した後、近くの温泉へ。ここでゆっくりと温まる。これで完全に「風邪っぴき」を追っ払うことに成功。ようやく本来の元気が出てきた。そして、カニ料理屋さんへ直行。IMG_0002ここのカニ料理は毎年食べるけど、それなりの気構えが必要である。その量が半端でないのだ。ある時は、最後のカニ雑炊を残す羽目になり、すごく残念で申し訳ない気がした。今回は、京都にいる時は本当にだるくて、食欲どころでなく、もう旅行のキャンセルすら考えていたのだ。だからせっかくのカニ料理が、ちゃんと食べられるか心配だった。でも食べ始めると、すいすい行く! こっぺ、カニのしゃぶしゃぶ、カニすき、焼きガニ、次から次へと繰り出される料理を全て平らげる。うまいのなんの! 自分でもびっくりするくらい好調な食欲だった。話もいろいろはずんだ。やはり料理がいいと、話も潤滑になるね。

I先生は京丹後市という場所で、しっかり地に足をつけて医療に取り組んでおられる。診療所にはCTがないので、体の内部を診たい場合には、とりあえずエコーのプローベを当てるそうだ。そうして、手に負えない場合は、躊躇せずY病院などに転送する。AMIも年間で数例くらいはあるようだ。もちろん一診体制だから、そういう場合は外来はいったんストップ。I先生本人は「田舎でのんびりとやってます」とか謙遜するけど、内に秘めた矜持は、相当だと思った。そして、そうしたプロ意識を大いに見習いたいと思った。

翌日は、I先生ご一家は平日のスケジュール。京都行きの特急で昼過ぎに帰ってきた。総括。今回は体調悪かったけど、しっかりカニ料理が食べられて、ホントに嬉しかった。私は友達の少ない人間なので、こうした繋がりは大切にしたい。I先生、来年もよろしくお願いします。m(_ _)m

みっつめ。24日は、大学同期のT先生と呑み会。午前中は京都市内の診療所で一般外来。わりと早めに終わり、帰宅後ちょっと寝てから近江八幡へ。T先生とは約2年ぶりの再会。豚しゃぶのお店で飯を食いながら、近況報告。一番の核心はT先生の結婚話なのだが、なかなか明確な線が出てこないみたい。人間40代になると「盲目的に突っ走る」という勢いは、当然ながら減少する。よく言えば「賢明になり、自制的」になる。T先生はどうなんだろう?何か突破口を探しているようにも見えた。でも、もしそうだとしても、現実にそれを見つけるのは、T先生自身だし。私があれこれ口を突っ込んでも、それこそおせっかいだし。一次会はそこそこに、オッサン二人で二次会へ。二人ともカラオケ好きなので、駅前のボックスへ。スナックとかそういうややこしいところへは行かない。純粋に歌を楽しむのだ。私はカラオケは数年ぶりだったので、とりあえず安全に歌える曲ばかり。歌ってみると、わりと歌えることが分かったので、次第にノリノリになってくる。やはり私はバラードが好き。アップテンポの曲は苦手。「少年時代」とか「Ya-Ya」とか、古いところでは「岬めぐり」とか。いや、全部古いか(笑)。途中、興奮しすぎて鼻血を出すという失態をしでかしてしまい、T先生にひかれた(笑)が、めげずに歌いまくった。歌うという行為は、なんらかの生理作用はあるはずと思う。抽象的に言うと、自分の中にある情念を吐き出す作業。そういう意味で、この日のカラオケはストレス発散できたように思う。電車は最終となったが、楽しいひとときだった。T先生、また暖かくなったら逢いましょう。またカラオケ行きましょう。ありがとうございました。m(_ _)m

以上、前回に引き続き、みっつ近況を記しました。