ドキュメント躁鬱

16日のBlogは、結局「きれいごと」だった。

あのBlogでは、双極2型障害の実際というものを伝えきれていない。

ちょうど18日からうつが始まったので、その経過を記してみます。

本日22日は、ほぼ収束の状況。大体五日間くらいでいつも収まります。

最初の二日間くらいは、結構つらい。躁鬱の振幅が激しいので。

私の躁鬱病は「双極2型」という言い方もできるし

「rapid cycler」という言い方もできる。

後者は、躁とうつが速いテンポで交替していく様を表す。

一日の間でうつと躁があったり、躁とうつの混合もあり得る。

双極2型障害という「病気」を少しでも感じてもらえれば、幸いです。

ちなみに。これは寛解している状態です。

1992年から8年間続いた、コントロールされない状態は、

もちろん目も当てられないくらいひどい状況でした。

それについては、ここでは触れまい。とりあえず、どうぞ。


8月18日(水) 

本日は午前の一般外来のみ 予定通り13時半終了帰宅後、2時間寝る。いつも仕事の後は数時間寝る。そうしないと回復しない。この日は、夕食後、更に3時間寝る。その後、自室でヨーガをしようとすると、できない。音楽も耳に入ってこない。ただうるさいだけ。体が重い。→あかん、うつがやってきた。そうして、寝る。ただひたすら、寝る。0時頃就寝、うつ特有の浅い、夢ばかりの睡眠。



8月19日(木) 

午前8時起床。本日オフ。気分は悪くない。朝食食べて、ルーチン作業こなす。11時頃、意欲低下。体重くなる→ベッドへ。2時間ほど深く眠る。昼食を食べて、更に眠る。2時間。明日から三日間の勤務あり。少し体を動かすべきと、16時頃スポーツジムへ。その頃には、意欲は少し改善。40分のみ比較的低速でウォーキング。いい汗をかく。帰宅後、風呂に入り、夫婦で外食へ。その頃には、すでに気分不快。人と話す気分になれず。ほぼ会話なし。食欲自体はあり。帰ってすぐ寝る。3時間。起きたら23時頃。妻は就寝。私だけ自室でゴソゴソ。ヨーガはできるが、集中力なし。建設的な思考ができない。頭の中はカオス。これはすでに躁のフェイズに入っている。結局何もできず。深夜1時半頃就寝。こうした時の眠りは浅い。



8月20日(金)

午前6時20分起床。本日は一日勤務。気分は悪くない。9時から13時半の一般外来勤務はそつなく終わる。さて、問題はその後である。午後は心電図読み。約600枚なのだが、これが読めない。いつもなら2時間足らずで読むのだが、本日は、午前の仕事でエネルギーを使い果たしている。意欲も集中力もない。机の上の心電図とにらめっこが続く。2時間経過して、ようやく作業が軌道に乗ってきた。途中頭痛あり、ロルフェナミン2錠投入。にらめっこしている間、あきらめて管理者に応援を頼もうかとも思ったが、それは踏みとどまった。結局14時から開始して、18時終了。以上は想定内なのだが、やはりきつい。最悪のケースとして、19時終了も念頭に置いていた。だから、想定の中ではむしろ速いほう。帰宅は19時過ぎ。入浴して夕食後、寝る。3時間泥のように寝る。23時頃起きて活動しようとするが、体が動かない。明日の準備さえできない。音楽がやかましい。もう一度寝ることにする。深夜1時頃起きる。今度は比較的頭がすっきりしている。音楽を聴きながら、ヨーガもできた。Pat Methenyの「Is This America?」を聴いていたら、涙が出てきた。音楽が頭にしみ込み始めた。しかし、音楽を聴いて涙が出るというのは、すでに躁のフェイズに入っている証。すかさずデパケンを飲む。うつがいったん回復した後、躁期に突入して不眠となること多し。「なんとなく調子がよい」というのは、双極2型患者にとって、要注意なのです。結局深夜3時に就寝。このペースは、完全に躁だな。明日は、一般外来。大きなミスのないように・・



8月21日(土)

午前6時半に起床。当たり前だけど、あまり眠れなかった。本日は一般外来。いちおう半日の勤務なので、なんとかなるかな? 朝のヨーガは少し省略して実施。もちろん、ヨーガは18日の夜以外は、全て朝晩やっています。ヨーガなしでは、まるちょうの生活は成り立ちません。ヨーガをする時の体の反応で、自分の元気さを測ることができるのだ。一般外来の仕事は、なぜか患者さんが少ない。更に奇数週なので三診体制ゆえ、かなり楽な仕事となった。12時過ぎには勤務終了。「本当にこれでいいのかな?」みたいな感じで退出する。

帰って、速攻寝る。3時間ぐっすり寝る。かなりすっきり。入浴、夕食後、また寝る。3時間。かなり回復してきているが、これだけ寝れてしまうのは、やはりまだうつの状態。本日はしっかり睡眠とれそうなので、午前2時半には寝よう。明日はちょっと軽めの日曜日の健診外来。重病人が来る心配がないので、気が楽だ。就寝前は、やはりまた若干躁のフェイズ。すでに合計6時間、ぐっすり寝ちゃったからね。仕方ないね。躁のフェイズであーだこーだ、建設的でないことをぐだぐだしていたら、寝るのが3時半になってしまった。抗躁剤をしっかり飲んで就寝。当然ながら浅い睡眠。



8月22日(日)

午前6時半起床。やはり昨日の無為な夜更かしが効いている。体がだるい。ヨーガを最小限でこなし、出勤。電車は日曜なので座れる。本日は「体調が今ひとつ」という自覚があったので、電車内ではずっと目を閉じて、エネルギーを消費しないように心がける。音楽も聴かない。聴きたい感じではなかった。本日は健診外来だが、受診者多し。まるちょうという人は、朝にどれほど状態が悪くても、勤務に入ると(あるいは患者さんを前にすると)しゃんとするというか、仕事に集中することができる。「気が張る」というやつだろうか? 2007年の大変な時期でも、外来の仕事に関しては、大きな失敗はなかった。その代わり、外来の仕事が終わった後は、いわゆるひとつの「燃えかす」となり得るんだけど。本日はすでに躁鬱の波は収束に向かっている。健診外来の途中から、自分のペースを取り戻す。忙しかったけど、終わる頃には、わりと自然体の自分がいた。帰って、3時間ぐっすり寝る。そうして、現在に至る。明日以降は、もう普通に生活できるだろう。



以上、双極2型障害のone cycleを記述してみました。手帳を調べてみると、今年に入ってから、躁鬱のcycleは、ざっと15回くらい。 だから一番ひどい時と比べて、cycleの回数はそれほど変わってないんだなぁ。相変わらず、れっきとしたrapidなのである。変わったのは、躁鬱の質だろうと思う。全般に軽くなって、躁の要素が強くなってきた。 しかしながら、躁は攻撃性が増すから要注意だ。いずれにせよ、一番迷惑するのは一緒に生活する家族です。この場を借りて、改めて謝りたい。そしてかつ、これからもご理解とご支援をお願いしたいです。m(_ _)m