自治会長職が忙しく、更新できませんでした。いろいろやること多くて困ります。では行ってみよう。Beatlesを語るコーナー! 終焉に近づきつつあるコーナーですが、まだまだお気に入りの曲はあるので続けます。興味のある方は、どうかお付き合いを。今回は「Taxman」と「Tomorrow Never Knows」を取り上げる。
まず「Taxman」
ジョージの作品。ちなみに「Taxman」というのは造語のようだ。辞書に載っていない。「税金取り」とでも訳せばよいだろうか。現実にはそのような「税金を取りにくる人間」がいるわけではない。いつの間にか「稼いだ金から引かれている」あるいは「税を納めに行く」のが納税の実際だろう。本作のよいところは、そのへんのシステムをがっちりと「擬人化」して、痛快な批判を加えているところ。最初の「ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ・・」という札を数える?ところなんか、「税金取りのがめつさ」が表現されていて、なかなかよいと思う。税金を持っていかれるという我々の根源的な怒りを、しかと代弁している。
If you try to sit, I’ll tax your seat
If you get too cold, I’ll tax the heat
If you take a walk, I’ll tax your feet
Taxman!
車を運転するのなら 道路に税金をかけ
お坐りになるのなら 座席に税金をかけましょう
お寒いようなら 暖房に税金をかけ
散歩なさるのなら あなたの足に税金をかけましょう
私は税金取りなのです!
結局みなさんは他でもない私のために働いてらっしゃるわけですな
次に「Tomorrow Never Knows」
言うまでもなくジョンの作品であり、Beatlesの代表作である。まるちょうは、元来この作品のサイケデリックな雰囲気が好きでなかったんだけど、今回よく調べて聴き込んでみると、やはりその複雑怪奇さに唸らざるを得なかった。エフェクトがかけられた不気味なヴォーカル、低く唸るドラム、カモメの鳴き声のような現実離れしたサウンド。
「Tomorrow Never Knows」という成句は、辞書には見つからなかった。「明日のことは誰にもわからない」ぐらいの意味だろうけど、Wikiによるとリンゴ・スターが何気なくつぶやいた一言から取られたらしい。ちなみに「A Hard Day’s Night」もそのパターンだったそうだ。驚き桃の木。
ジョンとしては「The Tibetan Book Of The Dead(死者に関するチベットの書)」に感化されて書いた曲であり、「ダライ・ラマが山の頂上でから説法しているような感じで」と指示していたという。現実的には、LSDによる幻覚症状がもたらすパワーの体験、そしてトリップ状態の目に映るカオス的ヴィジョンとサウンド・コラージュを合体させて、この傑作が生まれた。これはまさに「音響パノラマ」という表現が相応しい。ジョンの内的な探求の成果が、極限の形でサウンドになった。
It is not dying, it is not dying
Lay down all thought, surrender to the void
It is shining, it is shining
無心になってリラックス、流れに身を任せてごらん
死ではない 死ではない
思考をゼロにして 虚無に身を任せてごらん
輝いている 輝いている
以上、今回もBeatles語ってみました。