据え膳食わぬは男の恥?

「村上さんのQ&A」のコーナー! 今回も「そうだ、村上さんに聞いてみよう」から、質疑応答を抜粋して考察してみる。

<質問>27歳のOLです。今日、ネット上で知り合った男性と会いました。内気だけど、話をしているうちにとても気があって、ちょっと寄り添って歩く、などいい感じになりました。私としては「今夜はこのまま・・」くらいのいきおいがあったのですが、きっと内気な彼のこと、なかなか自分からは言い出せないだろう、と思って、私から「ホテルに行こう」と言ってしまったのです。ところが返事は「no」でした。そんなに自分に魅力がないの?と、今とても落ち込んでいます。「据え膳食わぬは・・」という言葉がありますが、あれはうそなのでしょうか? 村上さんなら、女の子から誘われたらどうしますか?


<村上さんの回答>むずかしい質問です。というのは、そういうことって、人によってずいぶん差があるからです。性的なものごとに対する抑制の度合いにも差がありますし、女性から誘ってくることに対する抵抗感もあるかもしれません。あるいは責任感が強い人なのかもしれません。誰とでも簡単にセックスできるという人もいれば、限られた人としかする気になれないという人もいます。僕ならどうするか?「とても気があって、ちょっと寄り添って歩く、などいい感じになる」くらいの相手であれば、たぶん誘われるままについていくんじゃないかなと思います。最近そういう目にあまりあっていないので、確信を持ってお答えできないのが残念ですが。しくしく。

<まるちょうの考察>これ、村上さんの仰る通り、かなり微妙な問題です。ホント、人によって差が激しいと思う。まるちょうなんかは、かなり抑制が強い方です。簡単に誰とでもセックスはできない。「据え膳食わぬは男の恥」といいますが、やっぱり無理。心理学的に言うと、すごく超自我が強いんだろうね。超自我による「裁きへの畏れ」が深層心理にあると思う。別の観点から言うと、どこかに「草食的」な部分があるのかも。最近少しそう感じている。例えば、通販で購入したiMacの箱を二週間ほど開封せずに放置するとか、そういうの。目の前の「肉」に飛びつかないみたいな。まぁ、結局そういうのを「抑制」と言うのかな?

ただし女性から誘われたとして、「抵抗感」ないし「嫌悪感」というようなものは、それほどありません。むしろ「悪い気はしない」だろうと思う。人として「それだけ好意を抱かれている」と感じることは、ある意味「生きる喜び」にも通じるものだから。まぁ、そんな経験もないから分からないけど。でも、セックスはダメですよ。立たないから。しくしく(笑)。

ただ、こうした「女性からの誘い」を断ったとき、「女に恥をかかせる」という場面が生じるわけだ。そうした時の女性側の羞恥心は、いかばかりだろう。それを思うと、なんか暗くなる。女性は質問者みたいに「自分に魅力がない」と思いがちだよね。ちゃうねん、ちゃうねん。村上さんの仰る通り、いろんなケースがあり得るわけです。もちろん一般論としてよ。

村上さんは「たぶん誘われるままについていくんじゃないかな」などと宣っていますが、これは多分嘘だろうと思います。「ノルウェイの森」のワタナベくんを想い出して欲しい。緑に告白されても、直子のことが解決していないので、ちゃんとしたセックスはしなかった。ああいう精神性って、作者にも通じるものがある筈だと、まるちょうは睨んでいます。それほど器用な人ではないと思うんですけど。だから村上さんの回答は「だらしなさ」を盾に取った、一種の照れだと思います。でもそこまで言うと、神格化しすぎかな?(笑) 以上、村上さんのQ&Aのコーナーでした。