ハナミズキ

YouTubeを語るコーナー! 今回は一青窈の「ハナミズキ」をテーマに、まるちょうなりに語ってみたいと思う。

「ハナミズキ」は、まるちょうの大好きなうたです。さらっと聴いた感じでは「爽やかな恋のうた」というイメージである。ハナミズキは薫風かおる五月の花。五月の高い空とともに、とてもイノセントな雰囲気を醸し出している。しかし、一青窈はもっと重層的な視点でこのうたを作詞したのだと解った。

アメリカ同時多発テロ事件発生時、ニューヨークにいた友人からのメールをきっかけに、一週間ほどで書いた詞であった。作詞当時は、A4用紙3枚程で「テロ」・「散弾銃」といった言葉があり、一青いわく「挑戦的な詞」であったという。その詞を削っていって「君と好きな人が百年続きますように」の言葉にたどり着いたのは、一青自身も不思議に思っているという。
PVでは、歌詞に合わせて手話を取り入れている。第58回NHK紅白歌合戦では、大学生時代のサークルの友人と共に手話を行いながらの「ハナミズキ」を披露した。タイトルの元となったハナミズキは、彼女が学生時代よく行った、世田谷区内の二子玉川にある「ドッグウッドプラザ」にちなんでいる。(by Wiki)

いまだに脳裏に焼き付いている、あの悲劇。2001年の9.11同時多発テロ。一青窈は、当時ニューヨークの友人と交流があり、あの事件で大いにショックを受けた。そして当時連呼されていたのが「報復」という言葉。そうじゃないんだ。平和を成就するのは「報復」ではない。歌い手として、何か世界に対してできることは無いか? こうしたもどかしい想いが「ハナミズキ」という名曲を生んだ。つまり本作は、深い人類の悲しみからインスパイアされたうたなのだ。

ハナミズキの花言葉は「返礼」。日比谷公園のハナミズキは、日本がアメリカに桜を贈った時の「返礼」であった。一青窈は、罪悪に対する憎しみや怒りの連鎖を何とかしたかった。これ、とても大切なことだと思うんです。こうしたどす黒い負の連鎖が、どんなに世の中にはびこっているか。結果としてイラク戦争という、まさに言葉通りの負の連鎖が起こり、イラクは現在も混乱の最中にある。本当に悲しいことだ。

「返礼」と「報復」・・似て非なる言葉。一青窈は「ハナミズキ」に微かな祈りを込めた。いつか「報復」が「返礼」に変わらないか? そんな馬鹿げた夢が「ハナミズキ」には託されている。「馬鹿げた」というのは、実感である。それほど「真の平和を実現すること」というのは、夢に近いものがある。でも、だからこそ「ハナミズキ」という名曲がインスパイアされた原点を、私たちは忘れるべきではないと思う。

僕の我慢がいつか実を結び
果てない波がちゃんと止まりますように
君と好きな人が百年続きますように

この部分は、上記のようなことを表していると思う。ちなみに「君」というのは、例のニューヨークの友人のことじゃないのかな? 友の恋愛を「百年続きますように」と祈る心は、薫風かおる五月にとても相応しい。



次の映像は、徳永英明とのデュエット。これ、二人とも「リスナーにうたを届けよう」と誠実に魂を込めて歌っている。その姿勢が素晴らしいと思う。一青窈は、気持ちがこもると顔が微妙に歪む。うたの中で、しかと滅んでいる。優れた歌い手である証拠だと思う。徳永英明は例の高音の美声なんだけど、それを振り回していない。ちゃんとコントロールしているところが偉いと思う。それと、八重歯が可愛いですね(笑)。

以上、「ハナミズキ」でYouTube語ってみました。