Nowhere Man+We Can Work It Out

Beatlesを語るコーナー! まるちょうなりの切り口で、また語ってみたいと思います。今回は「Nowhere Man」と「We Can Work It Out」を取り上げてみる。


まず「Nowhere Man」から。



直訳すると「行き場のない男」です。これは1965年にジョンがサリー州の自宅で曲のアイディアに行き詰まっていたときに、自分のことがまさに「Nowhere Man」のように思えて作ったという説がある。Wikiで調べてみると、面白い事実が判明。当時Johnはシンシア・パウエルという女性と最初の結婚生活(できちゃった婚)を送っていた。63年にはジュリアン・レノンが生まれている。つまり、オノ・ヨーコとは二回目の結婚だったんだね。そして、ジュリアンは前妻との間に生まれた子供だったのだ。

思うに、66年にヨーコに出会うまで、ジョンはまさにNowhere Manだったわけだ。ヨーコに出逢えて、ようやく自分のアイデンティティを確立できたんだね。そういう歴史的見地(←おおげさ)から言うと、この曲ってなんだか面白い印象を持ってしまう。でも、そうした自分のしっくり行かない現状を作品として昇華してしまうあたりが、やはりただ者ではないと思う。

Nowhere man, don’t worry

Take your time, don’t hurry

Leave it all till somebody else lends you a hand
これ、自分に対して言っていたんだろうね。「焦るな、急ぐな、そうすれば、きっと誰かが手を差しのべてくれる」と。ちなみに「Leave it all」は私の言う「問題を置く」そのもの。

ふたつめは「We Can Work It Out」。



邦題は「恋を抱きしめよう」。ちなみにwork outというイディオムは「(事が)うまく行く、よい結果となる」あるいは「(問題が)解決する」という意味。要するに、付き合っている彼女が別れ話を切り出して、彼が引き止めて懸命に説得している情景である。「僕らならきっとうまく行く、うまく行くさ」と。

これをちゃんと調べるまではwork outを「働いて何かを生み出す」ような意味かと思っていたので、なんか肩すかしを食らったようだった。もっと歌詞の中に重い何かが込められていると思っていたのだが、それは全く裏切られた。まぁ、恋愛のちょとした風景をさらっと歌っていると解すれば、それはそれでいいんだけど。メロディはとても好きだし。

Life is very short and there’s no time

For fussing and fighting, my friend

I have always thought that it’s a crime

So I will ask you once again
この部分は、女を口説いている文句としては妙に堅苦しくて、滑稽に思えてしまう。つまらない事で喧嘩するのは「犯罪」だとする見解。ポールらしいといえばそうなのかもしれない。

最後に、いかしたカヴァーを紹介しておく。



ご存知Stevie Wonderによるもの。とてもfunkyに仕上がっていて、原曲とはかなり違った味わい。ハーモニカが効果的に使われていて、いい感じ。

以上、またまたBeatlesを思うままに語ってみました。