新コーナー!「村上さんのQ&A」。村上春樹が、一般読者とメール交換を取り交わした記録が、数冊の本やCD-ROMになって残っている。膨大なやりとりの中から、まるちょうの気に入ったものをピックアップして、自分なりに考察してみたい。
当分は「そうだ、村上さんに聞いてみよう」から取り上げる。形式としては、全文転載するわけにはいかないので、質問と回答の要約を記した後で、まるちょうの考察を述べる。
<質問>私は過去に男性に暴力をふるわれたことがあり、ずっと男性恐怖症で「もう男の人とは恋愛感情を持つのは難しいかも」と思っていました。でもある時、今の彼と電子会議室のようなところで知り合い、パソコン通信などでやりとりをしているうちに、お互い惹かれ合うようになりました。「顔も見たことないのに好きになるのって、なんだか変かも」などと、いろいろ悩んだけど、最近はこれはこれで一つの出会いの方法だと考えるようになりました。村上さんは、こういう形の出会いをどう思いますか?(26歳、会社員、匿名希望)
<村上さんの回答>「顔も見ていないのに」とおっしゃいますが、顔を見てもなかなか人って分からないものです。書き言葉というのは、意外に多くのことを語るものです。顔が後からついてきたって、それはそれでいいじゃないですか。人の心によって与えられた傷を癒すのは、やはりなんといっても人の心しかないのだと僕は思います。幸福になられることを祈っています。
<まるちょうの考察>人とコミュニケーションをはかるときに、トークが苦手という種類の人って、確かに存在すると思う。っていうか、何を隠そう私自身がそういう種類の人なんです。そういう人にとって、文字ベースのコミュニケーションって、頼みの綱なんだよね。昔は手紙や葉書だっただろうし、最近はメールやチャット、BBSなど。書き言葉って、トークでは素直に言えない部分とか、ちょっと怖い部分でも、すうっと楽に言葉が出てきたりするのでよい。やはり「顔を見ていない」というのが大きいんだろうか。そういえば、私とお蝶夫人♪のなれそめも、メール交換からなんだよね。普通にデートして話すところから始めていたら、どうなっていたか? 興味あるところ(笑)。
「人の心によって与えられた傷を癒すのは、やはりなんといっても人の心しかない」という言葉は、とても含蓄があると思う。だから、人に裏切られても人を避けてはいけないんだよね。避けている間は、その傷は癒えることはない。いつも人は好きでいたいです。そうすれば、いわゆる「捨てる神あれば拾う神あり」で、いいこともあるんだよね。
今後も微調整しながら、こういう形式でBlogを書いてみたいと思います。よろしくお願いします♪