代々木忠(2)

前回に引き続き、AV監督の巨匠「代々木忠」について語ります。その哲学を探るために「プラトニック・アニマル-SEXの新しい快感基準」という本を読んだ。結論から言うと、とても共感できたし、世の男女は、ぜひ一読すべきだと思った。ちなみに、お蝶夫人♪も激賞している。

セックスで「イク」というのは、どういう事なのか?特に女性の場合は、普段のセックスで「イケない」人が多いようだ。代々木流に言うと、それを相手のせいにしないこと。まずは自分を変えていこう。具体的には、こういうこと・・


人間は概念思考に基づく<制度の世界>と、本能に基づく<本音の世界>に生きている。学校や会社や国家は制度の世界に属しているが、セックスとは本音の世界のものだから、「かくあらねばならぬ」という制度のよろいかぶとをどこまで脱げるか。自分の価値観や固定観念をどこまで捨て去ることができるかが重要になってくる。

よろいかぶとを捨てたくても、人からどう思われるかという自意識が邪魔して捨てられないことが多い。しかし結局、自分を大切にとっておいたまま、セックスで「イク」ことなどできないのだ。だから、捨てる際には徹底的に捨てること。セックスで一旦全てを捨て去って、終わってからまた、よろいかぶとを着ければよいだけである。そうして、また制度の世界に戻っていけばよい。

大体こんな感じだけど、まるちょう的にはバランスの問題だと思う。概念思考に基づく自分(=左脳)と本能に基づく自分(=右脳)のバランス。現代人は、往々にして前者に重点を置きがちだ。もちろん、本能に振り回されるのも良くないけど、それは程度問題。普段は、しっかり左脳で仕事をして、そして夜に右脳を開花させて、よろいかぶとを捨てる・・これがいいんじゃないでしょうか。

これは個人的に思うことだけど、代々木さんの言う「制度の世界」に首を突っ込めば突っ込むほど、身体は本能を欲するのでは?と感じる。ストレスが溜まった時こそ、身体は解放を望んでいる。それをちゃんと分かってあげること。つまり、自分を知ることが大切だと思う。そういった、自分をちゃんと認知できている人が少なすぎるということが、代々木さんの最も言いたいことだろう。

プラトニック・アニマル・・「肉体的な愛を持たない動物」。代々木さんは、頭でっかちの現代人を皮肉って、この本の題名にしたと思う。やっぱ、そうはなりたくないです。だって、それだと人生の半分しか味わえないから。真摯に、しかし楽しんで生きたい・・まるちょうの実感です。