近況、みっつめ行きます。さる5月6日(水)に、グリーチネという隠れ家イタリアンで、ちょっとリッチな夕食をいただいた。これ、4月26日の「隠れ家イタリアンでランチ」というBlogに出てきたお店です。実は、初めは栗東の「ル・ゴーシュ・セキ」で食べるつもりだった。10日前くらいにい電話すると「5月の前半はすべて埋まっています」との回答。げぇ~、もうそんなに人気が沸騰してはるんや~、となる。その代わりと言っては失礼だけど、4月13日のランチがとても印象的だったので、グリーチネに連絡してみた。すると、なんとか予約が取れたという次第。
実は、5月11日が12回目の結婚記念日であり、そのお祝いの意味があった。お蝶夫人♪は、記念日にはこうした「ちょっと違ったところで食事」を好む。主婦という「繰り返し地獄」から脱して、オアシスで一息つきたいもんね。9000円のディナー・コースで決めてみた。6500円のもあるが、こうした時はケチらないこと。
まずはノンアルコールのワインで乾杯。最初の皿は、前回と同じ「ボイルしたアスパラガスとイカの組み合わせ」なんだが・・ 前回「淡い塩こしょう?」と記したんだが、訂正します。再度食べてみて、塩こしょうは感じなかった。バルサミコ酢はありそうだが・・ 今回、うっかり写真を撮るのをわすれていた。お蝶夫人♪の意見では、バルサミコ推しみたい。でも、限りなくアスパラとイカの甘みなんだと思う。それと食感の心地よさね。シンプルな謎かけ?(笑)
二皿目は、タイトルはつけられません。料理が複雑すぎて。要するに、適度に火の入ったフォアグラと古代米のリゾット的なものの組み合わせ。媒介するのが、人参とバジルのペースト。白トリュフのスライスがのっかっている。このフォアグラの食わせ方が、憎らしいほどうまい。他店で食べたソテー系の料理は、素直すぎて物足らなかったりしたのだが・・ これは頭で分析できない味でした。でも確かにうまい。唸るしかなかった。古代米という発想が、もうぶっちゃけ限界を超えてます。思うんだけど、フォアグラって、素人が思う以上に難しい食材なのかも。この料理は、大成功の巻。
三皿目は、グリーチネ定番のサラダ。前回ランチと異なるのは、完熟マンゴーとトマトのジャムが追加されていたこと。生ハムとマンゴーは鉄板のコンビだし、トマトのジャムが「へえ~」となるくらい美味い。モッツァレラチーズが引き立つこと。野菜はもちろん新鮮で、いや~、心がホクホクしますな。この皿のテーマは「様々の甘み」なんだろうと思った。いろんな甘みが交錯して、意外なケミストリーを生じる。いやはや、面白い。
四皿目は魚料理。スズキのポアレ。つけ合わせに自家製のアーティチョーク(お蝶夫人♪に解説してもらった)。シャキシャキした軽い食感。魚がソリッドな食感なので、その対比が面白い。二皿目と三皿目が複雑なコンセプトだったので、シンプルな構成にしてあるんだろうか? 淡白で軽いひとしな。
五皿目はパスタ。ジェノベーゼのトマトソースということなんだけど、麺にバジルが練り込んである。自家製麺ならではの工夫やな。とても上品で美味しいんだけど、このパスタの重心に、サルティンボッカとの違いがあると思う。サルティンボッカは、あくまでもパスタを食わせる店。ここは一連のコースの流れの中のひとつとして食べさせる。だから、これくらいの上品なボリュームでちょうどよい。逆に、パスタをガツガツ食いたいのなら、サルティンボッカがよい。
六皿目は肉料理。黒毛和牛のロースト。これがまた絶品やねん。自家製のジャガイモと玉葱が添えられているんだけど、これが「ほえ~」となるほど美味い。肉はもちろんうまいけど、野菜がすごいね~。俺はジャガイモの甘さに惚れました。肉を最大限に引き立てる、ジャガイモと玉葱。素晴らしい。
さて、最後にデザートと飲み物。シェフにお祝いの言葉をプレートに記していただきました。たぶんイタリア語で「結婚記念日、おめでとうございます」だと思う。ありがとうございます。シェフはもっぱら厨房におられて、話し相手は奥様。フォーマルな中にも優しさがあふれる給仕で、基本はやっぱ「癒やし系」なんだと想像します。仕事の中で、シェフと喧嘩することもよくあるとか。そうしたくだけた会話が、我々12年目になる夫婦を和ませます。夫婦って、分かっているようで、分かっていないようで。難しいような、面白いような。やっぱ、難しいのか(笑)。でも・・一番だいじなのは、やはり学ぶ姿勢じゃないかと。グリーチネのご夫婦も、日々そうしたことの積み重ねだそうです。最後にツーショットの写真を載っけておきます。最後になりましたが、奥様が焼かれるパンは、言うまでもなく絶品でした。いやはや、よい時を過ごせました。少しお高いので、そうそうは来れませんが「ハレの日」には、またお願いします。以上「12回目の結婚記念日」と題して、書いてみました。