近況・・母のめまい発作にて休日返上バタバタ

さる6月26日(月)は、オフだった。朝の7時過ぎにiPhoneに着信あり。寝ぼけた頭でiPhoneを取ろうとするが取れない。超高齢の両親が向日町にいるので、いつも寝床にiPhoneを置いている。ようやくiPhoneを探し当てて電話に出ると、それは82歳の母からだった。かなりしんどそうな声。24日から強いめまいが出現。いったん軽快するも、26日早朝から増悪。軽くムカムカ。嘔吐はなし。

その日は、草津市内のクリニックを受診する予定だった。でも、いま現在、母が困っている。兄を呼んで対応すると言うが、兄は僕より遠方なのだ。ここはクリニック受診よりも優先度が高いと判断した。現状やるべきこととしては、脳卒中の除外のため、頭部MRIを受けること。かかりつけは千代原口のS病院。母はもともと頚部脊柱管狭窄症で、歩行が危うい。そのうえ、めまいが重なると、介助なしに歩くのは、そうとう厳しい。実家のマンションは二階にあり、小さな階段を降りる必要がある。現状では、これは無理だと思った。

つまり、救急車を要請する必要がある。栗東駅に向かう途中で、母へ電話してみる。兄はぎっくり腰で動けないとのこと。救急車を呼ぶまえに、入院の準備をしているとのこと。高齢者ふたり暮らしなので、こういう状況では、母が入院させてもらうと助かる。そういう流れで、僕が実家に着いてから、119することとなる。

実家に着くと、母が荷造りしているところだった。大小のスーツケースと貴重品の入ったトートバッグ。119へ連絡するのは、もしかしたら初めてかもしれない。医師としてQQ車に同乗するのは、もちろんあるんだけど、当事者の家族として利用するのは初めてかも。あっという間にQQ車は到着して、QQ隊の方々が迅速に仕事をこなしていく。例の「小さな階段」は「フレキシブルな」担架で、安全に運ばれた。なにしろ実家のマンションの部屋から一階の道路までの導線が、グネグネ曲がり狭いので、こういう時にとても困る。僕が介助するとしても、腰が悪いので、かえって危険である。QQ隊の方々、助かりました。さすがプロ。

さて、QQ車の中で問診の追加。どんな薬を服用しているか、あるいは病歴の質問など。僕は自分が医者であることは隠しておくつもりだったが、薬のことでややこしそうな状況だったので「僕、ドクターです」とカミング・アウト。QQ隊の方々は一瞬「え?」という感じになったが、お薬手帳から、病歴について説明した。わりと僕が把握していない投薬も見られた。さて、S病院へ出発。

ちなみに僕は、例のたくさんの荷物を持ったまま(自分の荷物も)。とにかくQQ車なので、あっという間。母は救急室で診察。僕は中のベンチで待機。その日は月曜日だったが、S病院は大忙しの様子だった。どんどんQQ車が入ってくる。脱水を感じたので、自販機でお茶を買って飲むなど。30分ほどで母はMRI室に入り、撮影。その後はストレッチャーから車椅子に変えて、救急室から出てきた。その後、正式な病状説明まで待合で待機。

母は、QQ搬送からS病院での診察、検査に至るまで、明らかなめまいを発症していなかった。僕の中では「まあBPPVでいいかな」と思っていた。ただ母は、四年くらい前に脳梗塞を発症している。やはりMRIは撮影せざるを得ない。のどが渇いたというので、自販機でお茶を買ってきて飲ませるなど。待合のテレビ画面をぼんやり見るとも見ないで、ひたすら待つ。

診察の順番がやってきた! S病院QQの先生はわりとベテランな雰囲気。かなりお忙しかったのだろう、「頭のMRIは取りたいけど、なかなかいっぱいでねー」と。「いや、もうMRI終わってますよ!」とツッコミを入れる。ちょっとその先生は動揺されたが、さっと気を入れ替えて、MRIの読影。新規の脳出血、脳梗塞はないと説明された。さあ、ここからが本番である。

実家の超高齢の両親、息子二人はわりと遠方。父は92歳で、母の看病などする余裕はなく、なんとか入院させていただけないか? 短期でいいですから。想像していた通り、QQの先生は、うーんと唸られた。ちょっとベッドの状況を確認しますので、いったん待合へ。しばらくして、待合へ直接先生が来られて「ベッドはほぼ満床です。やはり重症の患者さんのために、一部のベッドは空いていますが、このベッドは経過観察のためには使えません、すみません」との説明。こうした事情は、同じ医療従事者なのでよく理解できる。母に話を聴くと、あまり入院はしたくないとのこと。可能なら、自宅で生活したいと。搬送から病院までの過程で、明らかなめまいは出現していない。やはり、ある一定の緊張感があると、めまいは消退するのかな。最終的には、先生の説明に了解する形で、帰宅することとなる。

さて、帰りはタクシーで。わりと親切な運転手さんだった。車椅子からの乗車、向日町の実家に帰ってからの下車と立位の保持。僕も自分の荷物があるので、なかなか大変。母はなんとか、例の「小さな階段」をゆっくり登り切った。拍手。僕が背負うのはリスクが大きいと思っていた。56歳の傷だらけの腰椎ですから。お母さん、よくやったよ。とりあえず、MRIで安心を確認したので、母も少し元気を取り戻したみたい。これからこういうことは多くなるだろうなー できるだけ迅速に動けるようにしたいと思った次第です。