糸井重里の言葉からインスパイアされて

ほぼ日手帳を日々、愛用している。毎日、下段に言葉が添えられる。いろんな人のとりとめのない言葉。もちろん忙しい時なんかは、読むこともない。でも、ふと目にした言葉に「お、これは面白い」と見入ることもある。いっときは、こんな言葉なんて付加価値に金を払うのはアホらしい、とさえ思ったこともあった。でもやっぱり、ほぼ日手帳のコアは、このなんとなしに記された言葉なのかもしれない。今年は、主催者の糸井重里の言葉が多く引用されている。糸井さんって、やっぱりいい言葉を残すよなー さすがだね。6月29日の糸井さんの言葉、いいなと思ったので紹介します。

じぶんの「好き」について考えて答えられるようにする。じぶんの「やりたいこと」についてもイメージしておく。「好きなもの」と「やりたいこと」を何度も考えていたら、仮にネガティブなことにあったときにも、「この花を飾って、これを食べよう」とか思える。

自分の歩くべき道は、年をとるごとに明確になってくる。自分の性格、心身における弱点、得意なこと、 等々。例えば僕は56歳だけど、こうした「自分の宿命」みたいなものが、ぼんやりと見えてくる。かのスティーヴ・ジョブズはこう言った。

あなたの時間は限られている。だから他人の人生を生きたりして無駄に過ごしてはいけない。(中略)他人の意見が雑音のようにあなたの内面の声をかき消したりすることのないようにしなさい。そして最も重要なのは、自分の心と直感を信じる勇気を持ちなさい。

「好き」と「やりたいこと」は、おそらくジョブズの言う「内面の声」だと思う。おそらくこの「内面の声」が具現化していく過程で、自分の「根っこ」は太くなるのだ。その結果として、自尊心は健全に成長し、生きる自信が形成される。

人生において「ネガティブなこと」は、いつも付いて回る。この「ネガティブ」という悪魔は、日常の些細なものから、人生における壁のようなごっついものまで、様々である。この悪魔に、どう対処するか。糸井さんは、一つの案を呈示しているわけね。つまり「好き」と「やりたいこと」を何度も考えること。それを心にしっかり焼き付けることで「自分の歩くべき道」から外れないようにするということ。

「ネガティブ」による不快感で、身体と心が動かなくなる。つまり「思考停止」に陥ると、悪魔はヘヘヘと嗤う。そうしてあなたの身体と心に「重力の魔」というアリ地獄がやってくる。こいつ、あなたの身体と心に違和感がないので、よけいに怖い。気がついたら、沼に足を取られている。ある場合には、うつになるだろうし、自死に至ることさえあるだろう。

あるいは「ネガティブ」に反発すること。悪魔にコミットすることで、怒りの感情が高まる。これは悪魔が望んでいた展開である。奴はまたヘヘヘと嗤うのだ。あなたの心は混乱し、必要以上にヒートアップする。そうしてあなたは、いつしか「自分の歩くべき道」から遠ざかることになる。

「悪魔」のかけらは、日常のそこら辺にたくさん落ちている。あなたは、それにコミットしてはいけない。いちいち振り回されてはいけない。自分の歩くべき道(ユートピア)から、悪魔が嗤う世界(ディストピア)へ、転落してはいけない。糸井さんの言葉は、具体的な処世術として有用だと思う。普段から自分のベクトルを意識して、強固にすること。ぼんやりではなく「具体化」することが大事だと思います。以上、言葉からインスパイアされて、文章こさえました。