近況・・正月早々、実家からのSOSにてバタバタ

父が88歳、母が79歳。実家は向日市なので、JRで40分くらい。令和二年を考えたときに、いちばん心配なのは、やはり両家の親。「老い」がどうしてもある。急変だってあり得る。「できるだけ柔軟に対応する」という頭でいる。でも、平時はいろいろ考えすぎない。ルーチンを尊重しつつ、意識下に親がいるみたいな。

さる1月5日(日)の午前10時ごろ、僕はスポーツ・ジムに入ろうとしていた。iPhoneに着信あり。母からである。どうも父の様子がおかしいらしい。歩きにくい、歩くときに上体がかがむ、とにかくしんどい、など。どうも電話では埒があかなさそう。すっぱりジムはあきらめて、カバンに聴診器を入れて実家へ急行。JRの車中、上体が折れるという現象について考えていた。圧迫骨折? 元喫煙者ではあるが、骨はそれほど脆くはないはず。すると病的骨折か? 父は典型的なタイプCなので、多発性骨髄腫とか? いろいろ考えてしまう。


実家に着いて、さっそく問診と診察。まず明らかなのは、父の背骨はどうもない、ということ。ぜんぜん曲がってへんし。痛いところもない。父がいちばん訴えるのは、歩くときのふらつき。非回転性であり、動揺性ということになる。指鼻試験がやや稚拙で、タンデム歩行が全くダメ。こりゃ、小脳卒中かな?と考えた。ただその他に、微熱(診察時平熱)、鼻水、頭痛などもあり。風邪もあるのかな?

とりあえず、脳外科が手厚いところがいい。すると物集女のS病院ということになる。昨年春に母がお世話になった病院である。母が電話番号持っていた。時間外受付に事情を説明して、タクシーで移動。階段を降りたりなど、ややヒヤヒヤ。正月明けの日曜日なんて、混んでいるに決まっている。ゆっくり待とうと思っていた。ちょうど昼だったので、腹が減っては戦はできぬ。隣の西友で簡単に昼飯すませる。

予想よりは早めに呼ばれた。わりと若めの女医さんである。問診と体温測定。僕は父の後ろに座っていたが、父の応答はやはり的を得ない。問診が停滞するなか、体温が38.5℃であることが発覚。女医さんが思わず「ワオ!」と発声された。心のなかで「欧米か!」とツッコミ。これはとりあえずインフルのチェックをしましょう。つづきはそれからです、ということになる。

熱がそんなにあったとは・・ うーん。。 結果はインフル陽性。揺るがしようのない結論がひとつ出た。しかし、僕の中で「タンデム歩行不可」というのが、引っかかっていた。ここはやや流れに逆らう場面なので、仕方なく自分が医師であることを告げる。すると女医さんも襟を正す感じとなり、T診療所の総合内科をやっております、S病院にも何度か転送したことがあります、など。脳卒中となるとすごく困るので、CTお願いできますか?と注文。女医さんは、快くMRIを実施して下さった。よくできる女医さんだなー、と感心していた。

高熱でもうろうとする中、閉所でワンワンいう音の中へ。父がややかわいそうな気もしたが、やはり小脳とか脳幹卒中があると、とても困る。せっかく脳外科の病院に来ているのだ。「お父さん、がんばって」と念じていた。そうして撮影したMRIは、異常なし。ホッと胸をなで下ろした。動揺性は、熱が出る前に出現していた。そうすると、インフルウイルス感染に関連した動揺性だったんだろうか? 解釈はむずかしいけど、どうやら一元的に説明できそうである。結論がでたら、父はちょっとしっかりしたように見えた。さっそく、タミフルとカロナールを服用させる。S病院、頼もしいかぎり。

父は一週後には完全に回復。僕と母は、インフル濃厚接触なので、タミフル予防投与を行った。さいわい、それから誰も発症していない。一難去ってまた一難ということになるのか、当面は安泰なのか。なにしろ高齢なので、先が読めない。令和二年、こうして一年が始まりました。頑張りましょう~( ̄▽ ̄;)