近況・・新しい電子カルテに右往左往

11月1日から、T診療所で新しい電子カルテと格闘している。前の電カルがF社のやつ。これはTwitterなんかでは不評みたい。それほど不便は感じなかったが。ただ、大病院向きらしく、運用コストが高いようだ。うちはあくまでも診療所なので、小回りのきくコストを抑えた電カルが欲しいところ。そこへC社(M電カル)の電カル採用が決定した。10月に入ったら、外来の現場でF社とC社のカルテを並行させて、練習して下さい・・との通達があったのだが、あっさり裏切られ、、 結局、突貫工事みたいな状態で、11月1日を迎えることに。C社の社員さんも目一杯に頑張っておられるんだけど、いかんせんマンパワーが少ないのか? 逆に気の毒になるような雰囲気もあり、結局、こつこつ自分でマスターするしかないか、と諦観の境地というところ。


M電カルのいいところは一杯ある。しかし、、 困るところも多い。例えば処方のとき。セルベックスとかエリーテンとかパセトシンとかメリスロンとか、頭の三文字入れても出てこない。一般名じゃないとダメ。こういうの、けっこうイライラする。M電カルには「スタンプ機能」というのがあって、頻用する行為はすべて登録することができる。要するにその機能を十分に使いこなせていないということだろうか。「気管支炎の処方」なんかはスタンプ化できそうかな。

あと、思うように日本語変換ができない。Google日本語変換なのだが、まだまだ流暢な変換とまでは行っていない。これも気づいたときに「こつこつ登録」しかないと思っている。モニターはワイド画面でとても見やすい。M電カルのユニークなレイアウトを完全に可能にしている。問題はキーボード。打鍵の感じは浅めで、悪くないんだけど、反発がちょっと強い。だからミスタイプが多くなる。F社のキーボードは深いけど、けっこうしっくり来てたような。今打っているAppleのキーボードも浅いけど、反発はそれほど強くない。これは慣れなんかな~? 反発が強いと速くタイピングしたときに「馴染まない」感じがあるような気がする。僕だけだろうか?

そして、M電カルが導入されたと同時に、受診者の呼び入れを番号でするようになった。今でこそちょっと慣れてきたけど、最初はすごい混乱。プライバシーに配慮した流れで、例えばK医大病院なんかでも番号呼び入れである。時代はそのように動いているのだ。ただーし! 高齢の方はやはり「馴染みにくい」ようだ。番号で二回呼んでもダメなときは、迷わず名前でお呼びする。それでも反応のない場合だってある。つまり、待合におられないとか。インフルワクチンの問診をさばくのは、始めから名前と決めている。多くが高齢者であり、スピードが重視されるので、番号で呼ぶどころではない。

電子カルテというツールは、医療従事者にとって「体の一部」と言えるものだ。逆に「体の一部」のように自由自在に電カルを操れないと、多くの受診者をさばけなくなる。だから、電カルを変更するというのは、我々にとって一大事であり、リスクでもある。M電カルがスタートして、今日で15日。僕の知るかぎりでは、大きなトラブルは起こっていないようだ。ある程度しっくりくるまでには、少なくとも一ヶ月かかると思っている。もっともっと作業を効率化する方法はあるはず。C病院なんか、病院の移転とともに電カルも変わったのだ。これまさに変革である。必要な変化です。この大変化を、時間をかけて静かに定着させていきたいと思う。そしてまた「流れるような外来業務」を復活させたいと思う。M電カルともっともっと仲良くなりたいと思う、今日このごろです。