「社畜」って、なんでしょね?

さる8月23日、台風20号が接近していた。私はオフだったけど、正直あまり体調はよくなかった。台風の進路を確認したところ、京滋にいちばん接近するのは、夜だろうか。ただ、そこで頭に浮かんだのは、例の7月上旬の大雨災害である。あの時はきっぱりとJRが止まってしまい、現場に穴があいてしまった。そう、大雨のときはJRは止まるのです。JRって安全第一をポリシーにしてるから、仕方ないのかな。7月のときは、金曜日の仕事をキャンセルしてしまった。だってJRが止まると、栗東からは行きようがない。「そんなん、しゃーないやん」とうそぶいていたけど、私が穴をあけたために被害をこうむった人は、わりといたはずだ。それは医者も看護師も、患者さんも。見えないところで、人は支え合っている。


さて、今回。台風20号が近畿を縦断した場合、翌24日のJRが止まることは目に見えている。奇しくも、同じ金曜日である。これ、ぼんやりと24日を迎えて「JR止まっているので行けません」と連絡するのは、これはさすがに許されんだろうと思った。さあ、オフだけど、うかうかしてられんぞ。体調を整えるために、午前はジムで軽く歩いてこよう。昼飯たべて、荷物をまとめて京都へ向かおう。オフとは名ばかりの、バタバタした一日が始まった。

結論から言うと、24日の仕事は午前、午後ともに大過なくこなすことができた。穴をあけずに済んだ。でも当然のことながら、24日の夜とか25日の午前の外来は、疲労がありけっこう辛かった。とりあえず、26日と27日がオフなので、それを励みに頑張った。「なんとか無事、切り抜けよう。大きなミスをしないように」それだけ。これぞ、ハードボイルドやなー( ̄▽ ̄;)

FBに「俺って社畜やなー」みたいなコメントを残していた。あらためて「社畜」ってなんでしょね? ファースト・キャビンのベッドで独り考えていた。そこでまず言えるのは、自分は「病院」という公共の機関に勤めているということ。公共のサービスは、受ける側は「あって当たり前」なのです。いわんや、24日に予約のあった人はなおさら。例えば、道路を考えてほしい。道路が諸事情で寸断されていたら、みなが困る。速やかに修復して開通へこぎつけるべきだ。それは何よりも公共財だから。われわれ医師には、公共としての仕事を維持する責務があるのかもしれない。この場合の「社畜」は、一種の自虐なんかな?と思ってみたり。

おいらはやっぱり、筋金入りのMです。ほっとけや。でも実際、みなさんが笑顔で終われるなら、おいらは全然オーケーなのです。めっちゃ疲れたけど、その甲斐があったってもんよ。役に立った感、よくやった感、よかったよかった感。25日の夜には、普段の自分に戻っていた。蛇足だけど、ファースト・キャビンって、河原町三条にもあって、断然こちらの方が使い勝手がよいということ。そしてベッドの下に鍵付きのセーフティ・ボックスがあること。以上をお蝶夫人♪から指摘された。ルームキーないので、トイレに行くたびに貴重品を枕の下に隠していたよ。ちゃんちゃん。次回からは、もっと賢く立ち回ろうと思うのでした。

<追記>お世話になっているT診療所、K診療所、いずれも「社畜」に値するようなブラック企業ではありません。いつも大変お世話になり、ありがとうございます。いちおう、誤解のないように。