謹賀新年・・今年の抱負など

まるろぐをご覧のみなさま、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。今年の抱負について少し。これは「抱負」というか・・ もっと適切に表現すると「心に留めておくべきこと」になるかもしれない。今年の春から、息子が社会人としての生活をスタートさせます。つまり、昨年は彼にとって「就活という地獄」に苛まれる一年でした。そして父としての私は、その地獄を遠巻きに、傍観者的に見ているだけの存在だったんです。就活は、息子とお蝶夫人♪の二人三脚で、頭を悩ませ、知恵を出しあい、時に喧嘩しながら、それこそ「格闘」していた。父として夫として、それほど介入することもない。というか、日々の仕事で精一杯という現実がある。あまり中途半端に口出ししても、まちがっている。私にとって2015年は、そうした「はがゆい」一年でした。


私は「就活」というものをしたことがない。医学生から医師になるのに、医局試験というハードルこそあったけど、会社訪問だの、面接だの、そういうのは一切なかった。だからいわば「甘ちゃん」みたいな感じなのかな、社会人的には。息子が就活で苦しんでいても、結局のところ、その「痛み」は分かってやれない。書類審査で落とされる、面接で落とされる・・この痛みが、どれだけのものか、究極的には分からないのです。

10月の末に、ようやく内定を取れた。私は「よかったなぁ」と胸をなで下ろしたけど、それはあくまでも「曖昧な共感」なのね。すべてが「なんとなく」で終わっていた。そうした中で、ふと「内定の取れた会社を見に行ってはどうか?」という案が浮かんできた。これは「父としての責務」みたいな切迫したものではない。ただ「曖昧な共感」を、そのまま引きずって春を迎えたとしても、親としてどうなのか、という問題意識があった。もうちょっと息子の就活について、コミットしてもいいのではないか。そんな想いから、内定を取れた会社を「この眼で確かめる」という目的で、大阪に行くことに決めたのです。

12月28日(月)の朝、JRで大阪の京橋で降りる。そこからてくてく、OBPビル、大阪城公園を通り、天満橋へ。写真を撮ってFBにアップしたり、まさにお気楽なモード。そうして件の会社を目の当たりにする。白い壁のごく普通の建物だった。普通すぎて、はじめ通り過ぎてしまったくらいだ。向かって左に小さな入り口があり、すぐに階段になって上へ向かっていた。もう年末年始の休みに入っているのか、人の出入りはなかった。しんとしたその建物の前にたたずんで、私は気圧されるような冷ややかさを感じずにはいられなかった。息子は独りでこの建物までたどり来て、この圧迫感に負けず、あの階段を上がっていったのだ。それを思うと、大きなため息がもれた。

学生から社会人という、大きなハードルを想う。それと、初めて親元を離れるという不安。私はこの「ハードル」にぶざまに引っかかって、大転倒した人間である。ただこれは、息子を信じるしかない。親としては、人事を尽くして天命を待つしかないのだ。現在、お蝶夫人♪が懸命に支援している。就活もしたことがない父が、息子に何を言えるか。情けないもんです。あの「白い壁の建物」を前にして、そんな想いが去来したのです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


29日に自室の大掃除をしていて、ふと「息子に就活お疲れさまのプレゼントしたらどうか?」という案が頭に浮かんだ。プレゼントとして喜びそうなもの・・iPad Air2だ! 彼は私のお古の初代iPadを持っているが、たぶん古すぎて稼働していないだろう。それじゃ、最新のiPad贈ろうじゃないか。もしかして、仕事でも使うかもしれない。大掃除が一段落したところで、ネットで手続きした。そうして1月2日に商品が到着。息子が喜んだのは言うまでもない。息子よ、昨年の苦労を考えたら、そうした喜びを味わうだけの資格は十分にあるよ。お父さんは、それくらいのことしかできない。それにしても、子どもが無条件に喜ぶ姿というのは、どんなに親にとって嬉しいことだろう。

「今年の抱負など」というタイトルから、やや遠くなりましたが・・ 今年の一番大きな作業となる「息子の社会人デビュー」について、想うところを記してみました。