遅ればせながら、謹賀新年

「まるろぐ」をご愛読のみなさま、あけましておめでとうございます。新年のご挨拶が遅れたのは、ちょっと訳ありでして。別な場所で投稿した文章を、Blog風にちょっとだけ手を加えて、載っけてみようかと思うんです。「別な場所」で読まれる層と、この「まるろぐ」で読まれる層は、微妙に違うと思うので。一般的なBlogとしても、ちゃんと読ませる文章にはなっていると思います。あ、著作権の問題はあるかな。でも、実際に書いたのは俺だからね。ま、いいじゃん。この文章で、まさにそのまま「新年の抱負」になってると思うし。タイトルは「『生きるのに忙しい』老年をめざして」です。



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‘get busy living or get busy dying’


映画「ショーシャンクの空に」の中で、主人公が脱獄前に、ふとつぶやく言葉。個人的な解釈をお許しください。つまり、人生には二通りあると言っている。

【busy dying】☞ 運命という「重し」を背負い、与えられた課題に忙殺されている。自分の天命を知ることもなしに「人生という牢獄」の中で、ただ我慢して生きる。

【busy living】☞ 厳しい運命に抗って、希望をいつも確信して生きる。己の自由意志に基づいて「腹の底から望む人生」を闘いとる。


私にとって、この20年間は、まさに【busy dying】でした。26歳(1992年)、研修医一年目の冬に失踪事件を起こし、その後も体調不良がつづく。早々に「医業の修練」というレールから外れてしまった。「双極2型障害」という病名を知ったのが、ようやく40歳のとき。実に厳しい「運命という重し」でした。発症当時、私を治療する精神科の医師でさえ、五里霧中の状態でした。いわんや周囲の先生方は、どう対応していいか、相当に戸惑われたことでしょう。でも当時、いっさい否定的な態度はなかった。本当にありがたいことだと思っています。

31歳(1997年)から、本格的な治療が始まり、徐々に病状がコントロールできるようになってきました。仕事は非常勤の仕事をなんとかクリアしていく日々。仕事量も次第に増えていきます。そうして、36歳(2003年)での結婚がひとつの転機でした。まだまだ不安定な体調ながら、家庭を持つことができ、心身両面で大変に支えられたと思っています。双極性障害の病状安定化のために、抗うつ剤の減量を避けて通れず、37歳から開始。しかし道のりは険しく、大波小波を乗り越えて、ようやく46歳(2013年)に完了。でもその年は、体調は極めて不安定で、勤務先にも相当にご迷惑をかけてしまいました。

そうして迎えた2014年。まずまず安定した一年を送ることができ、ほっと一息というところです。今年、48歳で四度目の年男になります。平均寿命で言えば、折り返し点はとうに過ぎている。でも・・私にとって「今」は、ようやくスタートラインなんです。つまり「dying → living」の転換点なんです。この20年間は、天から与えられた試練を苦しみ味わい、まさに血と肉にしていくプロセスでした。両親には本当に心配をかけたし、結婚後も妻や子供に迷惑ばかりかけてきました。とうてい自分独りでは、現在に至ることはできなかったでしょう。本当に自分は、恵まれた人間だと思います。

自分で言うのもなんですが、私は晩成するタイプだと思っています。長く生きれば生きるほど、この20年間の「苦汁」を何かの形に還元できるんじゃないかと。だからこそ、私みたいなのは、早死にできないのです。天が与えた試練が、それこそ無駄になってしまう。これから一番の目標は、ずばり長生きすることです。この20年間で、健康の大切さは身に沁みました。一病息災で、長生き・・それが必要条件です。「dying → living」の転換と言ったって、住宅ローンはまだ抱えているし、人生の宿題はまだまだたくさんあります。それでもなお「健康と仕事」という側面で、これからの見通しがついたことは大きい。これから、仕事も趣味も「内なる自由」を感じて、楽しみを闘いとって行きたいと思います。「生きるのに忙しい」と言えるような老年。そういうの、本望だな・・と想いをはせる今日この頃です。

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おもっきし文体が違いますね f(^^;) すんません。「別の場所」というのは、目上の方も読まれるという想定で書いていますので。あしからず、ご了承下さい。こんなん書いても、嫁からは「もっと地に足をつけて!」とか怒られそうだし f(^^;) 実際、今年のもっとリアルな抱負は「家庭での役割をもっと意識する」ことです。自閉的にならないと、生産的になれない。でも自閉的だと、家庭のことに目を配れない。そうした矛盾に、少しでも格闘できれば・・などと考えております。長文になりました。今年も「まるろぐ」を、よろしくお願い申し上げます。