近況・・P.Metheny Unity Groupコンサートに行ってきた(1)

SCN_0001_20141014020149452さる10月12日(日)に、Pat Metheny Unity Groupのコンサート行ってきた。結論から言うと、めちゃめちゃ感動して、その夜は多幸感に包まれて眠れなかった。もっと分かりやすく言うと、その後四日間くらい体調が悪かった。双極性障害という病気は、大きすぎる歓喜や感動も、好ましくないのです。困ったもんだ。逆に言うと、それだけこのコンサートが強烈で素晴らしかったということ。文章を書きながら、何がそんなに心を動かしたのか、考えてみたい。文章が長くなったので、二回に分けてアップします。

パットのアルバムは結構持っているけど、コアなファンかと言われると心許ない。「Unity Group」のアルバム二枚も、5月にコンサートのチケットが取れて、あわてて取り寄せたくらいだし。とりあえず、その二枚のアルバムを聴き込んで、当日を迎える。「Unity Group」の雰囲気を伝える、ちょうどよい映像があったので、載っけておきます。



場所は新神戸オリエンタル劇場。吉野屋の牛丼大盛りで腹ごしらえのあと、会場へ。そういえば、ノラ・ジョーンズは王将だったな。庶民派ってか! ちなみにチケットには「1階P列」と記されていた。どうせまた、後ろの方でパットは点のようにしか見えんのだろうな~・・と、あまり期待していなかった。ところが、おどろき桃の木! なんと前から二番目だったのだ! 最前列がO列なのね。うわ~、マジかよ。なんか緊張するぜよ。

まず、パットが一人で登場。うわー、めっちゃ近い。表情がまる分かりやんけ。しかも俺と服装がお揃いで(横縞のボートネックシャツ+ジーンズ+スニーカー)、なんかにやけてしまう。パットの横縞シャツは、ステージ衣装の定番として知られている。うれぴー! パットはおもむろに、ピカソギター(Webかd0139913_113436らの写真です)を演奏し始める。これ、初めて見たけどスゲーな。ちなみにギター底部についた弦は、ハープのような音が出ます。一人で何役するねん?て感じね。

演奏のセットリストなんかは、別のサイトを参照のこと。僕はあくまでも「個人的に感じたこと」を中心に文章を書きたい。パットのMCが入るまでの六曲くらい?の中に、アルバム「80/81」(1980年発表)収録のやつがふたつ入っていて「あれ?」と思ったのね。聴いているうちに、そうか!と閃いた。テナーサックスを吹いているクリス・ポッターは、いまは亡きマイケル・ブレッカーの面影を背負っているのだと。そう考えると、この「Unity Group」というコンセプトの核心が、ちょっと解るような気がした。裏を取るために雑誌「Jazz Life」2012年8月号を取りよせて、このバンド結成時のパットのインタビューを読んだ。そうして「Unity Group」は「80/81」の未来形(例えば「2020/2021」のような)であることを確認しjazzlifeました。「80/81」当時のパットは26歳で、パキパキの若者。眼前には、無限の可能性がひろがっていたはずだ。

しかし現在、パットはすでに還暦を迎えた。当然ながら、頭髪も白髪が目立つ(髪型は一緒だけどw)。ま、「ギター少年」であることには変わりない。というか、この人はいくつになっても「ギター少年」でありつづけるだろう。「少年」というのは、あくまでも「無垢」「率直」「情熱」という、よい意味です。今回、間近でパットの表情をみることができ、その印象はさらに深まった。演奏において、一片たりとも骨惜しみしない。そしてソロ演奏(もちろん超絶テク)が佳境に入るときの「歓喜」「忘我」「法悦」・・などを表情と体全体で発散するのね。それを全く隠そうとしない。ぜんぶ表に出してしまう。へんな大人だと、そうした感情を表に出す行為を「恥」として、渋くみせる路線に入っていくもんだけど、この人は半端なく、ぜんぶ正直に出してしまう。「永遠のギター少年」たる所以です。スバラシイ・・ (つづく)