七人の敵について考えてみた

お題を決めて語るコーナー! 今回は「七人の敵について考えてみた」と題して、文章書いてみます。ある日、通勤中にふと「男は仕事に出れば、七人の敵と戦っている」というような、曖昧な文言が頭をかすめて、俺はいったい、そんなたくさんの敵と戦っているんだろうか?という内省が始まり、これはBlogネタになるかな?と、閃いたのです。このあやふやな言葉は、正式には「男子家を出ずれば七人の敵あり」という諺のことです。調べてみると「男が社会に出て大人として活動すれば、常に多くの敵ができるものである」ということらしい。この言葉を噛みしめるとき、まるちょうの心は少し曇る。

私は基本的に楽天家です。というか、36歳で結婚するまでは「ひどい」楽天家だった。「ひどい」というのは、社会で生きていく最低限の注意、リスク回避、準備、などをしない人だった。そうした「白痴たる姿勢」により、さまざまのひどい出来事が起こった。ホントに散々な目に遭った。生活における「懐疑」が、根本的に欠けていたとも言える。人類はみな兄弟、これいかに。やわな平和主義が、どれだけの傷をもたらすか。傷だらけの20代を振り返ると、いつも心が曇る。

そんな白痴だった私に「悲観主義の大切さ」を叩き込んでくれたのは、他でもないお蝶夫人♪であります。リスクを回避して、安全な道を歩くことの大切さ。行動する前に、充分に準備することの大切さ。そして人の心に棲む「悪意」の存在について、充分に認識することの大切さ。つまり「懐疑の心構え」を学んだわけです。こうした姿勢は、私見ですが、女性的なものだと思う。30歳を過ぎても、ちゃんと女性と付き合ったこともなかった私には、とても新鮮でした。


つまり、相手を「敵なのか、味方なのか」判別するプロセスですね。プロセスというか、例えば女性は、このプロセスをほとんど本能的にやっている気もする。しかし「懐疑」を充分に会得していない男性にとっては、この「技能」は、目の眩むような芸当なわけです。でも、判別しなければ、社会に出て立ち回るのは到底むり。博愛主義は、それはそれで素晴らしいが、それだけで生きていけるほど人生は甘くない。現実として敵は存在し、それをしかと定めて、細やかにリスク回避することが必要だ。それこそが「考える」という重要なプロセスだと思う。

人が社会に出て活躍するためには、いずれ「我を主張する」必要が出てくる。我を主張すれば、自然と敵対的な関係は生まれる。まるちょうは、この諺をもっと普遍的に捉えたい。つまり、男子だけでなく女子も、あるいは主婦も、子供も・・ みな我を主張すれば、敵は生まれる。それは、どんな人間にもある「嫉妬心」によって。「嫉妬こそ悪魔に最もふさわしい属性である(ベーコン)」という言葉がある。この延長線上に、いじめによる自殺なども起こる。嫉妬心が増長すればするほど、その「敵対関係」は常軌を逸して、食うか食われるかの戦いとなってしまう。

でもちょっと待ってほしい。冒頭の諺における「敵」というのは、もうちょっと違うんじゃないか。大人が社会に出て戦う、いわゆる「敵」とは、もっと知性的なものじゃないか。そこには一定のルールがあって、勝ち負けはあるとしても、殺しあいはしない。つまりスポーツ的なイメージね。そう「大人の戦い」は、スポーツであるべきだと思う。大人たるもの、健全に戦いたいものだ。嫉妬や怨念ではなく、理知的にゲームに興ずる。そうした「敵」がいるとしたら、それはむしろ幸福なことではないか。

まるちょうもこうしてBlogをせっせと書いているが、これを「面白くない」と感じている人もいるはずだ。「昔のまるちょうは、こんな風に自分を主張しなかった。あいつも変わったな。なんだかな~」みたいなね。でも、我を主張しない人間って、どうよ? 自分をちゃんと表現できない人間って、どうよ? 我が出すぎるのは困りもの。でも、自分を適切に出せない人は、すごく不幸だと思う。人間としての存在意義の半分はなくなっていると思う。それくらい不幸だ。

さて、冒頭の問いに戻る。「俺はそんなにたくさんの敵と戦っているのか?」 それは「否」である。結局のところ、敵の数は社会的地位が上がるほど多くなる。私はそれほどの地位で働いていない。例えば、安倍首相(あるいは前首相の野田さん)なんて、どれだけの敵が周りにいるんだろう! 寝ても覚めても、周りは魑魅魍魎だらけではないか。そこで、こう考える。この諺は「敵のいない平和なところで安住せず、もっと上を目指せ」とも解釈できると。男子たるもの、戦わなくてどうする!と言いたいのね。はいはい、頑張りますよ。まるちょうは、自分の戦いを日々続けて行きます。27日から、抗うつ剤の減量に入っていますが、これも「戦い」です。安倍さんみたいに、気が遠くなるような数の敵はいませんが、自分なりに戦って行こうと思います。以上「七人の敵について考えてみた」と題して、文章書いてみました。