Suntory OldのCM二題

YouTubeを語るコーナー! 今回はSuntory OldのCMをネタに、まるちょうなりに語ってみたい。

ひとつめは、懐かしの作品。時は1994年・・だから14年前になるんだ(遠い目)。キャッチ・コピーは「恋は、遠い日の花火ではない。」おなじみ、長塚京三と田中裕子が演じている。

「課長の背中見るの好きなんです。しばらく見てていいですか?」

これ、男性としては困るフレーズである。長塚さんの言う通り「やめろよ」としか言いようがない。戸惑いながら、去るのみ。前提となっているのは、課長の誠実で、少し不器用なキャラ。それを長塚さんが言葉少なに短い時間でよく表現している。これが性欲もりもり下心満タンな課長だと、結局去らないから背中が見れない(笑)。



田中裕子篇も含めて、ターゲットは中高年。ギラギラしたものがやや減ってきて、常識というしがらみに飲み込まれそうになる頃。ここでいう「恋」は、ずばり生命の仄かな煌めきである。要するに、年をとってもそうした煌めきは忘れてはいけないということ。そして最後のビョコンと飛び跳ねるのが、まさに「花火」なのだ。こういう密やかな花火をささやかに上げれる大人になりたいものだ。ゆめゆめ大っぴらに打ち上げてはいけない。こそっと打ち上げるのがミソ。秀逸なCM。



ふたつめは、最近の作品。Wikiによると先月からオンエアされたらしい。よくある情景で、娘の彼氏が父に結婚の申し込みをする場面。お父さん役の國村準が、実に渋い味を出している。いい役者さんだなぁ。

「嫌な奴なら、一発殴るだろうにな」

こう言って、微かにほほえむ父。ここの翳り、いいねぇ。いつかは嫁いで行く定めの娘。國村さん演じる父親の表情、仕草、何気ない間に「人生の哀しみ」が刻まれている。Wikiで調べると、相当な下積みを重ねておられるようだ。そうじゃなかったら、このような「なりきった演技」というのはできないと思う。ローマは一日にしてならず。

「人生、おいしくなってきた。ザ・サントリーオールド」

娘を持つ父親の気持ちって、絶対本人じゃないと解らないと思う。辛いんだろうなぁ。嫁さんを泣かせてはいけないと思うのであった。

以上、YouTubeでまた語ってみました。