Steve Jobsのスピーチ(1)

先日ひょんなきっかけで、スタンフォード大学の2005年の卒業式における、スティーブ・ジョブズのスピーチをYouTubeで聴く機会があった。これから社会人となる若者に贈るメッセージとして、これ以上ない素晴らしさ。まるちょうは41歳のオッサンだけど、全部聴き終えて胸が熱くなるのを抑えられなかった。

まずはスティーブ・ジョブズの紹介から。Apple社とPixar社のCEOで、現代のカリスマの代表のひとりである。スピーチは自分の経験をもとに、かなり深遠なところまで突っ込んだ内容となっている。時間は14分半程度。YouTubeでは約9分と約6分に分割されている。以下のみっつのパートに分けられる。

#1 点を繋げる(第一部)
#2 愛と喪失(第一部)
#3 死(第二部)


今回から、三回に分けてスティーブの言葉を掘り下げてみようと思う。よい言葉をもらったら、それをちゃんと吟味したい。そして自分なりの位置づけをしておきたいと思う。



今回は#1の「点を繋げる」というテーマ。ひとことで言えば「人生は直線ではつまらない」ということ。当たり前のようだけど、実際に「点を繋げる」という生き方を実践するのは、大変なことだ。やるべきことに追われる人生は「直線」。やりたいことを自分の信念で選ぶのが「点」。一見「直線」が最短かつ効果的でよいように思える。ある意味でその方が安全かもしれない。しかしいかんせん面白くない。どこかに我慢している自分がいる。

一方、自分の好奇心と直感で「面白そう」と思ったものを学ぶ。こうしたものは「いかにも人生の役に立ちそうにもない」ものが多い。しかし、である。人生はそうした「一見はずれた点」を繋げるだけの時間は、普通保証されているのだ。

スティーブ曰く「先を見て点を繋げることはできない」と。自分の内なる声に従った初めの一歩を踏み出す勇気があるかどうか。そのためには、将来その点が繋がることを信じなければならない。「根性、運命、人生、カルマ何でもいいから信じること」とスティーブは述べている。点が繋がって道となると信じることで、心に確信が持てる。「たとえ人と違う道を歩むことになっても、信じることで全てのことは間違いなく変わる」→Appleの標語である「Think different」を地でいく言葉である。よい言葉。

「点を繋げる」という生き方は、当然リスクを背負う。いいことばかりではない。しかし、自分の信念のために耐えて頑張るのなら、本望ではないか。用意されたレールに乗るのではなく、自分でレールを作る。オリジナルなレールを。

やはり言えることは、若い頃はある程度無茶をしても「とにかく動く」ことなんだと思う。動いて、本当に自分が何を求めているかを知ろうとすること。一見無駄なまわり道をぐるぐるしたとしても、10年後に振り返ってみて、各々の点がちゃんと繋がっていれば、成功なのだ。まるちょう的には、国家試験直前にネパールで遭難したことなんかは、いつかどこかで繋がる予感を持っている。少なくとも、ある時期にはそういう意図で行動したいと思っている。一般的に、若い頃にそうした「伏線」をつけておくことは、人生のスパイスになるのかもしれない。

次回は#2の「愛と喪失」について語ります。