なぜナプキン?

「村上さんのQ&A」のコーナー! 今回も「そうだ、村上さんに聞いてみよう」から、質疑応答を抜粋して考察してみる。

<質問>女性のつける「ナプキン」はなぜ「ナプキン」という呼称なのでしょう?「食事に使えるものではなさそうだ。でも親しみやすそうだよなあ、誰でも使えるのかな? でも何に?」まだ幼げな頃、女性の生理機能なんて知らなかったから、実は母に率直に訊きました。鶴瓶さんだとかがCMに出てたし。答えは「大人になれば分かる」でした。そのときはやたら雰囲気が気まずくなり、それ以上質問できませんでした。そして、思春期の頃ようやく謎が解けたんですが。ねえ、紛らわしいと思いませんか? 村上さんの適切な回答をお待ちしております。(北海道在住、一児のパパ)


<村上さんの回答>適切な回答をと言われても困りますが・・ ちょっと調べてみたんですが、生理用品を「ナプキン」と呼ぶのはアメリカだけだそうです。じゃあ、イギリスではなんて呼ぶんだと訊かれても、僕は知りません。イギリスでナプキンというとだいたいはおしめ・おむつのことで、一方スコットランドではハンカチの意味で使われることが多いんだそうです。世界は広い、大根は白い、ですね。

昔サム・シェパードの戯曲を読んでいたら、たしか”She’s on the rag”という表現があって、よくわからなかったのでアメリカ人の女性に意味を尋ねたら、頬を赤くして「それは生理中だということの下品な表現です」と言われた。字義通りにいえば「彼女は端切れの上にいる」ということです。変なことを尋ねて悪かったと思いました。

<まるちょうの考察>村上さんの回答で、おおむね説明はできていると思う。「ナプキン」は昔は布製だったんだね、たぶん。今でこそ便利な吸収力の優れた紙製になってるけど。ところで、男性が生理用品についてしかと認識できるのは、女性と深い関係になってからではないかと思うのですが、いかがでしょうか? 少なくともまるちょうはそうでした。女性と日常を共にすることにより、その「生理用品にまつわる周期的なしんどさ」を実感できるようになった。

まるちょうは医学生だったから、産婦人科で女性の性周期なんかの知識は学校で学ぶ。でもなんだね、そういった知識って「肉」を伴わないんだね。頭だけの知識。試験にパスするためだけの知識。実際「多い日も安心」だとか「横もれなし」だとか、なんのことか分からなかった。いや、ホントに。やはり、女性のそういった「根源的な痛み」を理解するには、ステディーな彼女を作って実地で知ることが大切だと思う。そうして「女性の波」というものを体感するのがよいのだろう。

昔、生理用品のCMで「女性は偉大だよね」と桑田佳祐がしみじみ言うのがあったけど、ホントそう思う。柴門ふみの漫画「女ともだち」の中の科白で「生理だって一種の流産だよ。あたしたちは毎月卵流してんだ」という強烈なのがあったけど、これは全然ウソじゃないもんね。むしろ、全くその通りだ。男性としては、ひとこともない。

男性は、能天気に生きていてはいけない。世界に当たり前のように存在する苦しみに、しかと目を向けなければならない。最後はかなり脱線しましたが、村上さんのQ&Aのコーナーでした。