Let It Be

c6a6890d.jpgBeatlesを語るコーナー! まるちょうなりの切り口で、また語ってみたいと思います。今回は、いよいよ「Let It Be」を取り上げてみる。

まず、アルバムジャケットの写真・・四人の自然に還ったようなポートレートを見てほしい。初期の頃の、ある意味「作り上げられたキャラ」を脱皮した四人。制作サイドのコントロールを逸脱して、自我を持ち始めた四人。荒ぶる大海へ泳ぎだしていく「大人」としての四人。そうした印象をまるちょうは持ちます。そして、まさに「Let It Be」というタイトルこそ、このよっつのポートレートに相応しいと思うんだな。


「Let It Be」・・和訳すると「あるがままに」。そう、このうたは「人間の生き方」について語っている。そうした真摯な内容の歌詞に相応しい、美しいメロディー。この曲を初めて聴いたのは、まるちょうが小学生の頃。その時でさえ、なんて素敵なメロディーなんだろうと思ったものだ。歌詞の大意は、中学三年の時に英語の授業で習った。

When I find myself in times of trouble

Mother Mary comes to me

Speaking words of wisdom

Let it be
Mother Mary(聖母マリア)というのは、Paulの実母Mary McCartneyのことを指すらしい。Beatlemaniaの間では常識のようだ。だから「Let it be」というのは、Paulが母から直に授かった「善き言葉」なのかもしれない。

「あるがままに」・・40歳になると、この言葉の秘めた「重さ」を実感することができる。あるがままに生きるということが、どれだけ難しいか。「Let It Be」は「余計な事をせず、じっと耐え忍ぶ」とか「ある対象をそっとしておく」という解釈もできる。そうすれば、自ずと仄かな光が見えてくると、この曲は教えているのだ。

しかし、人生の困難な局面で、確固として「あるがままに」という哲学を徹せるか。困難に対して、自分らしさを見失ったり、思うように行動できなかったり、果ては自分を変に歪めてしまったり。そうしたことが、むしろ現実だったりする。でも・・そんなこんがらがった時こそ「Let it be」という知恵ある言葉を思い出すべきなんだと思う。

最後に蛇足だけど、ひとつカヴァーを紹介。Nick Caveというアーティストが、 Paulとはかなり違う味わいで歌っている。でも、この曲はある程度格調高く歌って欲しい。この人の「Let It Be」は、なんかイモっぽい。

以上、今回もまるちょうの独断と偏見でBeatlesを語ってみました。