aiko四題

好きな音楽について語るコーナー! 今回はちょっと女の子っぽくaikoについて語ってみたい。以前にも話したけど、aikoはユーミンと並んで私の「女性的な部分」を刺激するアーティストである。女の子の生態について「へぇ、そんなんありか」という啓蒙が結構あり、とても面白い。まるちょうの中の「女性」が覚醒する瞬間である。aikoとユーミンの違いと言えば・・ひとつ挙げられるのは、aikoは確かに女の子っぽいんだけど、ユーミンにはない「骨」を感じる。それが現代的といえばそうなのかもしれない。しかし、それがまた小気味良くて聴き入ってしまう。「小気味良さ」って、本来男性の属性だと思うんだけど、それをちゃんと備えているあたりに、彼女の個性を感じるわけ。次の四曲をピックアップする。


まず「帽子と水着と水平線

ある夏の夕暮れの突然の恋を表現した曲。歌詞の内容はともかく、曲のイントロがとても軽快で好き。aikoの「ワン、ツー、スリー、フォー」というかけ声も可愛い。でも、オジサンが聴くには、かなり若いな~ 夏の夕立のあと、鮮やかな夕日。そんなシチュエーションは、突然の恋に相応しいのかもしれない。

もう始まっていた あっけなく好きになっていた
でも俺、こういう経験したことないんだよね~!(ToT) これ、浜省の

気がついた時には もう愛していた
とは、ちょっとニュアンスが違うと思うんだよね。aikoの方が時間の短さを感じる。「瞬間」だよね。それこそが若さなんだね~。年は取りたくないっす。

次に「アンドロメダ

何億光年向こうの星も 肩に付いた小さなホコリも

すぐに見つけてあげるよ この目は少し自慢なんだ

時には心の奥さえも 見えてしまうもんだから

頬は熱くなって たまに悲しくもなった
女性って、みなさんこんな鋭い「目」をお持ちなんだろうか? 中には鈍い人もいるんだろうね。でも少なくとも、うちの嫁さんはこうした「何でも透かして見てしまう目」を持っているように思う。私自身が正直すぎるのもあるけど。

でも、このうたの言いたいのは「見えすぎることで傷ついてしまうのが辛い」ということなんだろうね。だから、自己防衛的に鋭い双眸が、だんだんぼやけてしまう。

交差点で君が立っていても もう今は見つけられないかもしれない

君の優しい流れる茶色い髪にも 気付かない程涙にかすんでさらに

見えなくなる全て
ここのサビ、とても好き。切ない女心が風にそよいでいるようだ。でも興味深いのは、メロディーが決して悲しくないことだ。むしろ「凛とした」雰囲気さえある。この辺がaikoたる所以だろうね。だだをこねる女性ではなく、とても潔いものを感じてしまう。

次に「be master of life

これぞ、前向き女の極めつけ。イントロの勇ましい「Hey!」のかけ声が象徴的である。こんなの聴くと、女性は奮い立つんだろうな。

後ろ振り向かずに歩く事 あたしは何があっても生きる
強い、強すぎるぞ、aiko。華奢な感じの人なんだけど、こういう「骨」をしっかり持った人なんだなぁ。あるいはそれは一種の理想なのかもしれないが。そう、このうたは困難な現代に生きる女の、ひとつの理想を歌っているのだ。さぁ、頑張っていこ!

最後「アスパラ

これはもろに女の子の微妙で複雑な心情を歌ったもの。無骨なまるちょうとしては、思わず唸ってしまう。好きな男の子の心を射止められないことの反感とか羞恥とか落胆とか孤独とか。もちろん、それぞれがとても軽い調子で語られるのが興味深い。さらりと歌ってしまうあたりに、むしろ爽快さえ感じる。これ、もしかしてaikoさんの実体験なのかな? それほど生々しく感じるのですが。真夏の昼一時、好きな男の子が教室で「あの子」に告っているシーン。思わず目を閉じるよなぁ。よくこんなポップな曲に昇華したと思うよ。えらいね~、アーティスト魂炸裂だね。でもひとつ謎がある。なぜタイトルがアスパラなんだろう? 誰か知っている人、教えてください。

aikoをBlogで語ってみて気づいたこと。やっぱり、この人の世界観は若い。何気なく通勤時にiPodで聴いているけど、39歳のオッサンにはきついです。ジェネレーション・ギャップっていうの? そういうの感じる。まぁ、そういう距離感を測れたことだけでも、Blogに書いた意義はあったと思う。でもやっぱり年は取りたくないなぁ(笑)。