「Hotel California」(Eagles作)について、語ってみようと思う。私は、特にEagles大好き!というほどのファンではない。そんな人にとっても、この一曲は特別な印象を持ちうるのではなかろうか? まるちょう自身は、小学生の頃に兄のレコードで初めて聴いて、心を奪われたのを覚えている。
現在愛聴しているのは「Hell Freezes Over」というアルバムの中の演奏。1994年に再結成したEaglesが、ワールドツアーを控え、その前哨戦とばかりにアンプラグドライヴを敢行。その際に収録されたのがこの作品である。ガットギターとパーカッションが、この曲独特の気怠さを増幅している。イントロがなんとも渋い。12年ぶりの再結成ということで、ほどよく角が削れて、とても洗練されているように思う。大人のロックというか。Don Henleyの哀愁を帯びたボーカルだけは変わらないが。
このBlogを書くに当たって、歌詞を自分なりに訳してみた。結局、ホテル・カリフォルニアというのは、迷宮のことなんだなと気づいた。人は、ふとしたことから迷宮に迷い込み、その甘く気怠い雰囲気に酔い、そこから出られなくなる。
And I was thinking to myself,
this could be heaven or this could be hell
「ここは、天国かもしれないし、地獄かもしれない」・・ズバリ、青春時代の恋って、そうじゃないですか? だから、人は生きている間に一度は迷宮に入らざるを得ないのだ。多幸感と自己嫌悪の狭間で苦悩する自分。そんな複雑な感情を、この曲はよく代弁していると思う。「我々はすべて迷宮の中の囚人に過ぎない」・・囚人という表現がよいね。迷宮の中に入ってしまうと、まさに自分を自分で縛るという現象が起こる。要するに自由でなくなるわけ。その時は自分が原因だということが分からないから、もがき苦しむ。だからこそ、地獄なんだね。
We are programmed to receive.
You can checkout any time you like,
But you can never leave!
「この迷宮に入るのは予定されていた」・・怖い言葉です。でも、どんな人も一度は予定されているのだ。決して逃げることはできない。ある意味で、この迷宮は神様が創ったものです。人類すべてに与えられた試練なのだ。 ボーカルが終わり、再びギターとパーカッションの世界になる。ここのギターソロの玄妙なこと!(>_<) まさに世界の終わりだな。最後のツインギターのリフは泣ける。ほんま、やるせない。1976年に「Hotel California」を発表した後のEaglesは、まさに世界のスーパースター。しかし、その頃からグループ内の不協和音が拡がり始め、1982年に正式解散となる。一作品が、そのグループ自体を喰ってしまった感じだな。そういう意味では、本当に「魔物が棲んでいる」作品と言えるかもしれない。まるちょうなりに、こうしてBlogとして書けて本望です。意義深い数日間でした(笑)。