スティーブ・ジョブズのスピーチ、二回目。今回は#2の「愛と喪失」について。1985年(30歳)にスティーブはApple社をクビになった。「人生では、レンガで殴られるような事が起こりうる」としている。でもスティーブはそのように拒絶されても、コンピュータの仕事に関わる事が、やはり好きなんだということに気付いた。そしてまた原点に戻って、始めようと思ったのだ。スティーブは言う。人生の危機に遭遇しても「信念を失ってはいけない。私は自分のやった事を愛せたから続けてこられたんです」と。
まるちょうも25歳のときに、まさにレンガで頭をどつかれるような事件を経験している。一時は「医師という仕事を棄てる」ことも考えた。 使い古されたフレーズだけど「愛って、失って初めて分かる」のだ。あの破滅的な状況で、使う予定もない研修医用の医学書を買ったりしていた。あの時「医師という仕事への愛情」を改めて強く感じていたのかもしれない。 結局周囲の温かくて粘り強い支援のおかげで復帰することができた。しかし・・あの当時は本当にしんどかった。両親の助けでなんとかかんとか医師としての仕事を続けていたけど、思うように行かない事が多くて大変辛かった。しかしそれでも続けられたのは、やはり単純に「人を診る」という仕事が好きだったからに違いない。細いけど強い生命線だったと思う。今では本当に「信念を捨てずによかった」と思える。だからこそ、スティーブの言葉には大いに共感できるのです。
本当に好きな仕事や恋人(配偶者)があるということは、とても幸せなことだ。いったん「これだ!」と確認できたら、それをひたすら護ること。そして育むことだと思う。スティーブの言う通り「年を重ねるごとに良くなっていく」。護り育むとは、まるちょう的には「積み重ねるイメージ」です。こつこつ少しずつ積み重ねる。目に見えないほどのスピードで。そんなイメージ。
「みなさんも、自分の好きなことを見つけなければいけない。それは仕事でも恋人でも同じです」スティーブは述べる。「見つけてないなら探し続けること、止まらないこと」原語では「Keep lookin’, don’t settle」 若い人はもちろん、中高年もこの言葉は噛みしめる必要があると思う。安穏と定住してはいけない。それは老化のもと(笑)。積み重ねつつ、それに安住せず探し求めること。矛盾しているけど、結局人生なんて、そういった矛盾とどうやって対峙していくかだと思うし。動きながら護り育む。人生って、なんて大変なんだろう!(笑)
次回は最終回で、#3の「死」について語ります。