Beatlesを語るコーナー! まるちょうなりの切り口で、また語ってみたいと思います。今回は「Yesterday」と「You Never Give Me Your Money」を取り上げてみる。
まずは名曲「Yesterday」だけど、言うまでもなく、乙女心をくすぐらずにはいられないうたです。YouTubeの当時のライブを見ても、サビの部分で女の子の黄色い嬌声(感情失禁に近い←失礼)が聞こえる。 ポール自身が「心から自分の”最高傑作”だと思う」と述べている。「大ヒットしたからというだけでなく、どの曲よりも一番自然に書けた曲だったから」と、例の解説本には記されている。ある朝目を覚ますと、曲のメロディーが頭の中で鳴っていたそうだ。これは、Beatlemaniaの中ではすでに伝説らしい。しかし「自分の中から抑えようとしても湧き出てくる」という風情は、その人にとって真にオリジナルな作品であることの証明なんだと思う。
歌詞の内容から、自分の元を去った恋人を想う歌と考えられていたが、後にポールは「(1956年)14歳のとき、乳癌で死去した母への想いを歌った曲である」と述べている。
この情報の真贋はともかくとして、そのような見地からこのうたを再び吟味してみると「ああ、なるほど!」となる箇所がいくつかある。「Yesterday」が発表されたのがポール23歳のとき。まるちょうの察するに、母の死後約10年して、深い悲しみが見事に昇華されたのが、この「Yesterday」なんだろうと。心理学的にいうと、うたの中で「彼女→母」の転移が生じている。思春期における母との死別・・ポール、さぞかし辛かっただろうな。自身の魂でしっかと事実を受け止め、耐えて乗り越えたんだろうな。ポールの魂の崇高さを垣間みれる作品なんだと思う。
さて最後に、本作のカヴァーはおそらく数千存在するらしいとのこと。まるちょうの手持ちから、対照的なふたつのカヴァーを紹介する。
小野リサのボサノバ
オリジナルと違い、日だまりで寝転がっている感じ。ほんわか聴きやすい一品。
Boyz||Menによるゴスペル
歌詞がスペイン語になっている。重厚な感じが、神聖な雰囲気を醸し出している。
ふたつめは「You Never Give Me Your Money」
解説本によると、金銭がらみのトラブルを下地として作られたものらしい。ボーカルの担当は、前半がポール、後半がリンゴ・・だと思う。今調べてみると、リンゴがボーカルを担当したという記述は残念ながら見つからない。まるちょうの耳では、確かにリンゴに聴こえるんだけど、どうですか?(笑)
ポールは「あんたは俺に金をよこさない」という憂いをおびた調子で語るが、リンゴはもろに開き直りの境地。「行き場所がないからこそ、ここから逃げてやるんだ!」という姿勢。無茶苦茶と言えば無茶苦茶なんだけど、それがロックの真髄なんだから仕方ない。しかしなんだね、リンゴ(たぶん)のボーカルは、なかなか捨てがたい味があるね。ジョンやポールにはない「野太い」感じがある。本作は、それを最大限に利用した作品だろう。曲の色調が前半と後半で、がらりと変わるのが効果的と思う。
以上、またまた独断と偏見でBeatlesを語ってみました。