音楽と読書と映画 ☞ 整理をどうする?

「村上さんのQ&A」のコーナー! 今回も「そうだ、村上さんに聞いてみよう」から質疑応答を抜粋して、まるちょうなりに考えてみたい。

<質問>村上さんはお仕事柄、たくさん本をお持ちだと思いますが、それらの整理はどうなさっていますか? 実はここ数年、私の買った本が増えてしまい、部屋からあふれ、弟の部屋や居間にまで進出しており、家族から大ひんしゃくをかっています。中には買ったもののつまらなくて一回読んだだけの本・・二度と読まないだろうと思うものもあるのですが、捨てられなくて困っています。どうしたらいいのでしょう。29歳、独身、ないないづくしの女より。とほほ。

<村上さんの答え>僕は本はなるべく売るようにしています。昔はずいぶんたくさん本を抱え込んでいたのですが、40代半ばも過ぎると、多くの本に対して「持っていたって、どうせ死ぬまでにもう読まないだろうな」と思うようになり、それでどんどん処分するようになりました。 ・・と偉そうなことを言いつつも、レコード(ほとんどは古いジャズのLP)に関しては、僕はぜんぜん駄目です。置き場所に窮してもう2000枚くらいは処分したけど、それでもまだぞくぞくと増え続けております。そんなに聴けるわけないんですがね。


<まるちょうの考察>まるちょうという人は、わりに整理上手だと思っています。いちばんの根本に「モノが多くなるのが嫌」というのがあります。自分のコントロールを逸脱してモノがあふれると、なにか落ち着かない。私という人間は、買い物に関してはかなり慎重派です。時に衝動買いをすることもありますが、たいてい書棚で熟成ということになる。2011年に肺がんを疑われた時なんか、生死に関わる書籍やDVDなどを買い込んだけど、結局どれも観ていない。そうした失敗があるので、本やDVDを買うことをついつい躊躇してしまう。「書棚に熟成」は、私の得意技です(笑)。長期熟成して、どんどん熱が冷めていくというパターンね。

現代はテクノロジーが進歩して、音楽と本については「電子化」という方法がある。これは本当に便利なやり方で、音楽はCDを買って(レンタルして)、PCに取り込んで、あとは売却する。手元には何も残らない。ネット経由で購入もできちゃうしね。七年くらい前だったか、iMacにリッピングしたすべてのCDを、ブックオフへ売りに出した。それでなくても狭いクローゼットを占拠していた、すべてのCDをだ。買い取り価格は二万円を超えた。目をむいた私をみて、店員は微笑していた。村上さんはレコードにこだわっているからな~ 私はデジタルで十分という世代なので、音楽に関しては収納で困ることはないです。

書籍も電子化の時代です。要らない本は捨てる。ちょっと捨てるには惜しい本は、電子化しておく。電子化した後は、もちろん古紙としてゴミ扱い。例えば現在、漫画の「カムイ伝(全15巻)」を読んでいる。これはヤフオクで落札した古い漫画を取り寄せて、すぐに裁断。PCに取り込んで紙媒体はすぐに古紙として捨てる。手元には何も残らない。通勤時にiPadでカムイ伝を楽しんでおります。というのも、カムイ伝(文庫)は、一冊の厚みがすごくて携帯に不向きだから。ただ・・うっかり100ページ分ほど「落ちている(読み取り忘れ)」部分があったりして、「ややっ」となったりしましたが・・f(^^;) ま、そういうことも、あるわな。

問題はDVDです。今や映画はストリーミングの時代に入っていますが、私はDVDで観たい派です。なんでって、慣れたメディアだから。感想Blogを書くのに、いろいろ使い勝手がよい。映像を切り取って、Blogに貼りつけるとかね。というわけで、DVDは溜まる一方です。見終わって「いい作品だな」と思い、感想Blogを書いたDVDは、クローゼットに保管してある。でも・・これらのDVDをまた観るかというと、心許ないです。DVDを買うという行為は、やや臆病になっているかもしれません。

書棚をいっぱいにしたくない。現在は七割くらいの占有率だろうか。現在、書棚にある本やDVDは、すでに「冷めたピザ」のようなものだ。購入時の「熱さ」は、もう消え失せた。レンジでチンできればいいが、俺の脳はそんなに都合よくできていない。だから・・本やDVDを買う前に、書棚に並んだ「冷めたピザ」たちを、じっくり眺める。実際に手にとって、あるいは中身をペラペラめくったりして。そうして少しずつ、心のなかで温めていく。「あるもので間に合わせる」という処世術は、とても合理的なやり方だと思う。書棚の「冷めたピザ」たちも、好んで冷めたわけではない。愚かな主人が、タイミングを逸しただけなのだ。みなさん、収納に困ったときは、まずこれです。冷めたピザを温め直しましょう(笑)。以上「村上さんのQ&A」のコーナーでした。