人を好きになることについて

「村上さんのQ&A」のコーナー!今回も「そうだ、村上さんに聞いてみよう」から、質疑応答を抜粋して考察してみる。

<質問>実は、私、最近けっこう真剣に人を好きになってしまいました。ちなみに30代なかば、夫あり、子供なしです。相手は職場の上司なのですが、とても複雑な性格で、彼の心を推し量るのに苦労しました。けっこう危険な感じの、あまり家庭生活向きじゃない男の人です。でも一時は、真剣に離婚も考えてしまいました。結局、彼の気持ちが見極められなかったこともあり、今は何となくフェイドアウトしちゃったかなという感じです。もう、9割方納得しているつもりなんですが・・ この年になってとてもピュアな想いと、複雑な人間洞察を余儀なくされ、これもいい刺激だと思いました。よければ、村上さんの感想をお聞かせ下さい。


<村上さんの回答>あなたの文面からは、細かいことはほとんど何もわかりません。ですから、感想の申し上げようもありません。ただひとつ僕に言えることは、純愛だろうが、浮気だろうが、不倫だろうが、正解だろうが間違いだろうが、結果が良かろうが悪かろうが「人が好きになれるのなら、好きになれるうちに好きになっておいた方がいい」ということです。誰かを好きになった記憶というのは、長い歳月にわたって人の心をじわじわと温めてくれます。がんばってください。

<まるちょうの考察>この村上さんの回答は、まるちょうにとっては、どうも納得が行かないんだな。人を好きになっても、惨めな結果に終わった恋は、そんなに「人の心をじわじわ温める」ような代物ではないと思う。たとえば、まるちょうの青春時代の惨めな恋は、今思い出してもそんなに心は温まらないし、むしろ「ギャッ!」といって恥ずかしさのあまり叫びたくなる。ただ・・全く否定するかと言えば、そうでもない。表面的には、前述のように「目を背けたくなるような」ことだけど、心のどこかで懐かしんでいるような部分もあるのかもしれない。村上さんの言い分としては「長い歳月」というのが、ひとつのヒントかもね。トゲトゲしい思い出も、長い歳月が経てば、まろやかになる。お酒みたいなもんだな。苦しみも、時間が経てばよき思い出になりうる。現在57歳の村上さんならではの、透徹した人生観なのかもしれない。

一体、「人を好きになれなくなる」なんて時が来るんだろうか? まるちょう的には、それこそ人生の終わりだろうと思うんだけど。39歳の若輩には、まだまだ村上さんのおっしゃる意味はつかめません。まぁ、単純に「人を好きになるのは素敵なこと」という結論でいいんだろうと思う。恋愛のマイナスの面ばかり見ずに、怖がらずに、人を好きになって欲しいということでしょうね。まるちょう自身は、元来惚れやすいタイプです。でも、現在はれっきとした妻帯者なので、自制心を忘れないように心がける毎日です。好きな人は、一人だけで十分(笑)。