負けん気について

「村上さんのQ&A」のコーナー!今回も「そうだ、村上さんに聞いてみよう」から、質疑応答を抜粋して考察してみる。

<質問>私は負けん気が人一倍強く、それでこれまでやってきました(26歳)。どうでもいいことは全くどうでもいいのですが、自分の設定する特定分野ではどうしても負けたくありません。よく「他人に勝つ負けるではなく、自分に勝つ負けるが重要だ」といわれますが、私としては前者を重視することが多いように思います。村上さんは、どのように思われますか?


<村上さんの回答>自分に対してにせよ、他人に対してにせよ、ある程度負けることに慣れるというのは、人生においてとても大事なことです。自慢じゃないけど、僕はしょっちゅう負けています。負けないことも大事ですが、負けてもくじけないことのほうが大事なんだと思います。いくら負けん気が強くても、最初から最後まで勝ち続けることは誰にもできないですから。まぁ、もともとの性格もあるし、そんなに気にしないで好きに生きていくしかないんでしょうけど。

<まるちょうの考察>まるちょう自身は「負けん気」という性向とは、ほとんど無縁だ。「いくらでも負けますよ、どうぞどうぞ」というのが、私のスタンスである。ただし、いくつかの点においては「負けるべきではない」と思って頑張っている。人間の尊厳に関わる部分では負けられないからね。

だから「他人に勝つ負けるではなく、自分に勝つ負けるが重要」という説は、大いにうなずける。村上さんも、結局はこのことを言ってるんだよね。「負けることに慣れる」とは「他人に比べて劣る自分を冷静に評価する」ということだし、「負けてもくじけない」とは、要するに「自分に負けない」ということだから。

ちなみに、個人的には「負けん気」というのは、本来女性のものだと考えている。女性ばかり集まると、ギスギスした雰囲気になることがあるけど、これは「負けん気」が充満してせめぎ合っているからに他ならない。こうした場所に、「負けてもいいよ」というスタンスの男性が一人でもいると、とても集団としてはまとまるわけ。例えば、看護師はもちろん女性が多いんだけど、師長には男性看護師が結構向いているんではないかと思ったりする。

結局「何が負けてよくて、何が負けてはいけないのか」を、自分の中で設定する作業を20代でやらざるを得ないような気がする。大人への過渡期にぶつかる壁のひとつだろうな。ある程度それが頭の中で整理できていれば、かなり生きやすくなるのではないか。この26歳の質問者も、その試行錯誤の時期なんじゃないかな?

最後に、ひとつだけ言えることは「自分に負ける」ことに慣れるのはよくないということ。やはり村上さんの言うとおり「負けてもくじけない」という気持ちは、いくつになっても持っていたいものです。

以上「村上さんのQ&A」のコーナーでした。