YouTubeを語るコーナー! 今回は「Swallowtail Butterfly~あいのうた~」のPVをネタに、まるちょうなりに語ってみたい。この映像の存在は、Mixi繋がりのきっこさんに教えてもらった。このPVのベースになっているのは、96年公開の「スワロウテイル」(岩井俊二監督)という映画である。歌うのはChara、音楽担当は小林武史。このみっつの強烈な個性が見事に溶け合ったのが本作だと思う。まるちょうは、イントロであやうく泣きそうになった。その心の震えの原因を、これから文章にしてみたいと思う。
「スワロウテイル」のストーリーは、あらかた忘れてしまった。Charaが出演していたことさえ忘れていた。でも、自分の中に「スワロウテイル的な何か」が眠っていたことは、間違いない。レンタルビデオだったので、多分97年頃観たのだろう。まるちょうにとって、あの頃はどん底だった。光のかけらも見えなかった。暗闇でもがいて、もがいて、でも何もかもが無為に過ぎて行った。そうした日々の中、TSUTAYAで手に取ったのが「スワロウテイル」。岩井俊二の前作「Love Letter」があまりにも印象的だったから。そして、その映像から何を感じ取ったか。いま改めて考えてみると、その「雑然とした不完全さ」に共感したのではないか。このPVのイントロを視聴してふと想い出したのは「とんでもなく不完全だったあの頃の自分」である。つまり、一種の「ノスタルジー」なんだな、これが。このイントロを作り出した岩井俊二と小林武史に脱帽である。ホント、心が溶け出して行くようだった。「目と耳を奪われる」とは、このことか!みたいな。
この空の 青の青さに心細くなる
信じるものすべて ポケットにつめこんでから
夏草揺れる線路を 遠くまで歩いた
Charaという歌い手は、自分の中ではそれほど評価していなかった。でもこのPVを聴いて、いやいや、素晴らしい才能だと考え直した。この楽曲を彼女以上に歌いこなせる人はいないだろう。伸びのない声、屈折、傷だらけ、清純の反対・・これはまさに「スワロウテイル」のイメージそのものだと思う。つまり「不完全さ」ね。このうたを、透き通った伸びのある声で歌われたら、まるで台無しである。ライブの映像も載っけておく。
「一緒に、う、歌ってください。歌お♪」
この不完全さがたまらなく素敵である。いいねぇ~97年当時、まるちょうは「もっとマシな自分」を探してもがいていた。何度も壁に頭を打ちつけて。ある意味暗黒だったけど、今となっては奇妙な懐かしさがある。格好いい言い方をすれば「原風景」という言葉になるだろうか。上記三人の才能に感謝である。またTSUTAYAでDVDを借りて観てみようと思ったのでした。
以上、YouTubeを語るのコーナーでした。